2015 Fiscal Year Annual Research Report
動的イメージングによるRanvier絞輪内分子動態の解明
Project/Area Number |
26670120
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
稲生 大輔 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 特別研究員 (40721981)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有髄神経 / Ranvier絞輪 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
有髄神経の活動電位の伝導において要を成すRanvier絞輪の構造・構築が病態時のマウス個体内においてどのように変化するかを明らかにすることが本研究の目的であり、本研究を通じて軸索の異常による病態発症機構に関してさらなる理解を目指す。前年度は、マウス個体内においてRanvier絞輪を蛍光ラベルする手法の開発を行なうとともに多発性硬化症モデルであるExperimental autoimmune encephalomyelitis (EAE)をマウスにおいて誘導する実験系の立ち上げを行なった。本年度は (1) Ranvier絞輪を蛍光ラベルしたマウス脊髄における軸索のトラッキング、 (2)EAE誘導時のRanvier絞輪の構造変化の解析を行なった。 (1)Ranvier絞輪を蛍光ラベルしたマウス脊髄における軸索のトラッキング Ranvier絞輪が蛍光ラベルされたマウス脊髄を固定し、CUBIC法により脊髄を透明化し、ラベル化された軸索のトラッキングを試みた。広範囲に渡って連続的に3次元画像を撮影し再構成することで、3次元構造を保った組織において単一の有髄神経軸索の形態を1 mm以上の長さに渡ってトラックすることができた。 (2)EAE誘導時のマウス脊髄において(1)の方法を適用し、解析を行なった。特にRanvier絞輪周辺部において形態異常が観察されるとともに、異常部位への細胞の集積が観察された。すなわち本結果は、Ranvier絞輪が病態時の有髄神経における異常発生開始部位である可能性を示唆する。 今後本解析をin vivoイメージングに応用することで、形態異常や細胞の集積といった異常がどのような時系列で起こるかに関して詳細な解析を行なっていく予定である。
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