2014 Fiscal Year Research-status Report
プリオン病治療法開発のための新規結合蛋白質の機能解析
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26670229
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山越 智 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (00212283)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プリオン病 / 新規結合蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
レトロウイルスcDNA発現ライブラリーのスクリーニングにより同定したプリオン蛋白質に結合する新規蛋白質のプリオン病発症における役割を調べるために、マウスモデルを用いて検討している。この新規結合蛋白質は、分泌蛋白質であり、細胞膜上のプリオン蛋白質に結合し細胞に作用すると考えられる。一方、プリオン病は、何らかの原因で正常プリオンが異常プリオンに構造変化し発症に関与すると考えられており、異常プリオン生成過程において新規結合蛋白質が何らかの影響を与える可能性を考えた。そこでC57BL/6背景の新規結合蛋白質遺伝子欠損マウスと過剰発現トランスジェニックマウスを使用し、それらにマウス馴化BSEプリオンを接種し、プリオン感染への感受性、病変部位の分布、病理所見について解析することを計画した。マウス等の実験動物へのプリオン感染実験では、プリオンを1)脳内と2)腹腔(あるいは経口)という相異なる接種法が常套的に行われている。本年度は、1)脳内接種を行い、脳への病原体直接感染における新規蛋白質の作用を検討(発症まで半年程度)、2)腹腔接種を行い末梢組織から中枢神経系に病原体が侵入する過程における新規蛋白質の作用を検討(発症まで1年弱)を始めた。はじめに各系統のマウスの各臓器でのプリオン蛋白質の遺伝子発現についてリアルタイムPCRで調べ、いずれも野生型と差がないことを確認したのちに感染実験を行った。脳内接種により発症した場合、野生型マウス、遺伝子欠損マウス、遺伝子過剰発現マウスにおいて生存率に差は認められなかった。腹腔接種に関しては観察を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プリオン病マウスモデルに使用する野生型、遺伝子欠損マウス、遺伝子過剰発現トランスジェニックマウスの繁殖が計画通りに行えなえなかった。そのため3系統をそろえ、かつ統計的に意味のある匹数を確保するのに時間がかかり、感染実験開始が半年ずれ込み、感染マウスの生化学的解析、病理的解析を次年度にせざるをえなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度計画されていた実験は、次年度で問題なく行えると考えられ、今後予定される実験計画も影響が少なく問題なく実行できると予想され、当初の計画通りに実験を進める。
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Causes of Carryover |
次年度に繰り越した金額のうち278,661円は、年度末納品等にかかる支払いが平成27年4月1日以降となったため、次年度の実支出額に計上予定。残りの金額に関しては、感染実験に使用するマウスの繁殖を計画通りに行えなかったため、感染実験を開始する時期が半年ずれ、本年度計画していた病理的解析、生化学実験のすべてを次年度に持ち越さざるをえなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度感染させたマウスの病理的解析、生化学実験を次年度行うため、繰り越された金額すべて次年度中に計画通り使用できる予定。次年度計画された実験も予定通りに行う。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] LECT2 functions as a hepatokine that links obesity to skeletal muscle insulin resistance.2014
Author(s)
Lan F1, Misu H, Chikamoto K, Takayama H, Kikuchi A, Mohri K, Takata N, Hayashi H, Matsuzawa-Nagata N, Takeshita Y, Noda H, Matsumoto Y, Ota T, Nagano T, Nakagen M, Miyamoto K, Takatsuki K, Seo T, Iwayama K, Tokuyama K, Matsugo S, Tang H, Saito Y, Yamagoe S, Kaneko S, Takamura T.
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Journal Title
Diabetes
Volume: 63
Pages: 1649-1664
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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