2016 Fiscal Year Annual Research Report
The possibility of new prion binding protein in the therapeutic development for prion diseases.
Project/Area Number |
26670229
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山越 智 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (00212283)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プリオン病 / 新規結合蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに得られた結果から、マウス馴化BSEプリオンの腹腔接種では、Xタンパク質の発現量と生存率に正の相関関係があることが分かった。50%生存率においてX遺伝子欠損マウス、野生型マウス、X遺伝子導入マウスの順で、それぞれ2週間程度の日数の増加が認められた。一方、脳への直接接種では各マウスにおいて差が見られなかった。そこで腹腔接種における生存率の差についてさらに検討した。Xタンパク質が、病原体プリオンの腹腔から中枢神経系への侵入を抑えている可能性が考えられたため、脾臓が中枢神経への侵入に関わる可能性が指摘されていることから、感染初期における脾臓での病原体プリオンの蓄積について検討した。使用匹数は各点3ないし4匹で、腹腔接種後、50日、70日、90日、110日の各マウスから脾臓を摘出し、病原体プリオンの蓄積を調べた。野生型マウスでは、50日ですでに4匹中3匹で病原体プリオンタンパク質の蓄積が見られ、70日で一度抑えられた後に、90日で再び検出され始め、110日ではすべてのマウスで病原体プリオンタンパク質の蓄積が見られた。X遺伝子欠損マウスも程度の差はあるがほぼ同様のパターンを示した。X遺伝子導入マウスでは、蓄積が遅れる傾向であったが差は顕著ではなかった。そこで現時点では、脾臓での病原体プリオンタンパク質の蓄積は、Xタンパク質の発現量とは相関しない可能性を考えている。しかし、50日で既に病原体プリオンタンパク質の蓄積が見られており、より短い時間での解析が必要なこと、脾臓での病原体プリオンの蓄積は、脳でのそれに比べてはるかに少なく、個体間のばらつきも大きいため使用するマウスの匹数を増やし、より精度の高い定量化の系を確立した上で、再検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Reduced serum levels of leukocyte cell-derived chemotaxin 2 are associated with the presence of diabetic retinopathy2016
Author(s)
Akinori Okumura, Hiroyuki Unoki-Kubota, Natsuyo Yoshida-Hata, Ritsuko, Yamamoto-Honda, Shigeo Yamashita, Minoru Iwata, Kazuyuki Tobe, Hiroshi Kajio, Mitsuhiko Noda, Naomichi Katai, Satoshi Yamagoe, Yasushi Kaburagi
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Journal Title
Clinica Chimica Acta
Volume: 463
Pages: 145-149
DOI
Peer Reviewed
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