2015 Fiscal Year Research-status Report
多職種からなる周産期急変対応チームの育成システム構築に関する研究
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26670243
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長田 久夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30233505)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シミュレーション / チーム医療 / 周産期 / 多職種 / 育成システム |
Outline of Annual Research Achievements |
1)拠点開催型講習会>名称:「産科急変対応シミュレーションワー クショップ」、日時:平成28年3月20日(日) 、会場:名古屋市立大学病院臨床シミュレーションセンター、受講者:愛知県内の大学病院・総合病院から、産科医・救急医・麻酔科医・助産師・ 救急/新生児看護師など、多診療科・多職種の計6名で構成される4チームが参加、5つの講習テーマ:A 産後大出血 、B 羊水塞栓、C 新生児蘇生>「新生児蘇生法アルゴリズム2015改訂」に沿って、新生児蘇生ができる、D 心原性ショック、E 子癇発作と新生児蘇生のハイブリット>薬剤を適切に使用してけいれんと血圧をコントロールしつつ急速遂娩を判断し、新生児の重症仮死を予測し蘇生準備ができる 2)出張開催型講習会>名称:「産科急変シミュレーション講習」(第130回関東連合産科婦人科学会のプログラムとして)、日時:平成27年10月24日-25日 、会場:幕張メッセ国際会議場、受講者:関東甲信越の産婦人科研修医・医学部学生が4-5名で即席のチームを作り、産科医師・助産師・麻酔科医・輸血部などの役割を順番に担当、2日間合計で65名が参加、講習テーマ:A 産後大出血、B 羊水塞栓、 C 子癇、 D 肩甲難産 3)既存の2つのシミュレーション教育指導者コースへの参加>FunSim-J:ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンターが主催する、シミュレー ション教育における指導の基本を講義と高機能シミュレーターを使用した学習者及び指導者体験から学ぶコース、ISIM-J :マイアミ大学ゴードンセンダー、ピッツバーグ大学WISER、ハワイ大学SimTikiで開発・実施されている、シミュレーション医療教育の実施に必要なスキルと能力の開発のための、ハンズオンや能動的なプログラムで構成されたコース 4)月1回のテレビ会議形式の勉強会でシナリオ作成や講習会の事前準備を検討し、リハーサルを兼ねた研修会を1回実施
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
講習会開催はリハーサル講習と併せて年3回と、年度計画の目標数には達しなかったが、6本の症例シナリオ・4本の分娩シミュレータープログラミングのブラッシュアップに加えて、既存のシミュレーション教育指導者コースに2回参加することができて、シミュレーション医療教 育の実施に必要なスキルと能力の向上が図れた。これらを通して、本研究の目的である、各医療現場で多職種からなる周産期急変対応 チー ムを育成するシステムを構築し、それが有効に機能することを検証する試みは、順調に達成されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も、基本的には当初の計画どおり、症例シナリオを追加・ ブラッシュアップし、2つのタイプの講習会開催を繰り返して 、多職種からなる周産期急変対応チームを育成するシステムを構築、ならび にその有効性の検証を続行する。さらに、2年間の研究履行を通して浮き彫りとなった次の課題2点について、対応策を講じる予定であ る。1つは、チームワークを客観的に 評価することの困難さである。 これに対しては、シナリオの進行と参加者のパフォーマンスが連動して録画できるシステムソフトを導入し、印象や記憶に依存することな く、場面場面を切り出して客観的に評価することを予定している。も う1つの問題点は、施設単位でチームを構成するのではなく、個人参加者同志がその場でチームを結成する場合や、シミュレーションの中で 自分とは異なる職種を担当する場合、学習効率が著しく低下する点である。これに対しては、チーム構成に応じたシナリオの脚色や、事前 に十分な聞き取りを行った上で講習会プログラムを作成するなど、きめの細かい運用を心がける予定である。
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Causes of Carryover |
拠点開催型講習会と出張開催型講習会ともに複数回開催する予定であったが、スケジュール調整ができず年度内に間に合わなかっ た。 また、前年度から持ち越しの教材用DVDの作成を計画していたが、本年度内にも開始できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に講習会の開催回数を増やす。同じく次年度に、教材用DVDの 作成を実行する。
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