2015 Fiscal Year Research-status Report
アレルギー性疾患の先制医療を目指して:アトピー性皮膚炎における鼻腔常在菌叢の意義
Project/Area Number |
26670275
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
前川 真人 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20190291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸倉 新樹 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00172156)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / ブドウ球菌 / 皮膚常在菌 / 鼻腔常在菌 / 16S rRNA解析 / 菌株解析 / POT法 |
Outline of Annual Research Achievements |
25人のアトピー性皮膚炎患者から同意の元で、皮膚(肘窩、背中など皮膚病変の強い部位)と鼻から綿棒で擦って細菌培養用とDNA回収用の2本を採取した。前者は通常の細菌培養検査を行い、Staphylococcusについては3コロニーを拾い順培養を行い、DNA抽出し、株レベルでの解析をPOT (PCR bsed-open reading frame typing) 法で行った。後者は直接DNA抽出し、16S rRNAの解析をMiSeq, Illumina 16S Library Preparation Workflowに則って行った。また、16S rRNA菌叢解析パイプライン QIIMEで解析した。 16S rRNA解析の結果、門レベルでは鼻腔でActinobacteria, Firmicutesが多く、皮膚ではFirmicutes, Proteobacteriaが多かった。また、属レベルでは、鼻腔ではCorynebacterium, Staphylococcusが、皮膚ではCorynebacteriumがStaphylococcus, Propionibacteriumが増えていた。これは、アトピー性皮膚炎としては納得できるデータであると考える。この病変部位である皮膚にいるStaphylococcusの特徴を調べるために株レベルでの解析を試み、その手段としてPOT法を選択した。その結果、各患者から得られた3株のStaphylococcusはほぼ同じものであったが、異なる株も含まれていた。また、それぞれの患者間では異なるPOT型が多かったが、患者内での鼻腔と皮膚では同じPOT型を示す株の組合せが多く認められた。ただし、全例ではなく、鼻腔と皮膚で異なる株の組合せも見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析した症例数はやや少ないが、目的を達成するための実験自体は順調に進んでいる。ほぼ仮説に見合った結果が得られつつあり、概ね順調に進んでいると考えている。1年目に行った下準備、研究チームの構築ができ、2年目で各種の実験結果が出たことによる。16S rRNA解析も順当に進み、また菌株解析もPOT法は完了した。これら得られた結果をもとに論文作成の段階に入っており、不足している実験、データを裏打ちする実験を調整している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのデータを詳細に解析し、論文作成を行うことに注力する。当初、16S rRNA解析が主な実験であり、主体となる結果だと考えていたが、むしろ結論を導くのは株レベルでの解析であると考え、その結果の裏付けをPOT法以外にタンパク質レベルでも進めることを企画している。一つはマススペクトル解析であり、2種類の細菌同定用のTOF-MSを使用した実験を行っている。これにより、菌株の相同性についての情報が追加できるのではと期待している。最終的には、これらのデータも含めて論文投稿を行う予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Evaluation of the short-term stability of specimens for clinical laboratory testing.2015
Author(s)
Ikeda K, Ichikawa K, Hashiguchi T, Hidaka Y, Kang D, Maekawa M, Matsumoto H, Matsushita K, Okubo S, Tsuchiya T, Furuta K
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Journal Title
Biopreserv Biobank
Volume: 13(2)
Pages: 135-143
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Mac-2 Binding Protein Glycosylation Isomer(M2BPGi) in Patients with Idopathic Pulmonary Fibrosis(IPF)2015
Author(s)
Kono M, Nakamura Y, Oyama Y, Hozumi H, Karayama M, Hashimoto D, Enimoto N, Fujisawa T, Inui N, Hamada E, Maekawa M, Suda
Organizer
American Thoracic Society 2015 International Conference
Place of Presentation
Denver, USA
Year and Date
2015-05-19
Int'l Joint Research