2014 Fiscal Year Research-status Report
PM2.5による喘息様気道炎症におけるPM2.5付着蛋白質の関与
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26670331
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荻野 景規 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70204104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 祥嗣 独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (00368705)
尾長谷 靖 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (40399762)
久保 正幸 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60420519)
竹本 圭 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60723252) [Withdrawn]
長岡 憲次郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40752374)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PM2.5 / 喘息 / 蛋白質 / PM蛋白1 / PM蛋白2 |
Outline of Annual Research Achievements |
PM2.5による喘息様病変の機序を解明することを目的とし、以下のような研究課題で研究を行っている。 (1)PM2.5による喘息様気道炎症におけるPM2.5含有蛋白質の関与 (2) PM2.5による喘息気道炎症の原因となる蛋白質のプロテオミクスによる同定 (3) PM2.5蛋白質に対する喘息及び慢性閉塞性呼吸器疾患患者血清の抗体感作状況の検討による疾病との関連性 その結果、中国からの越境が指摘された平成25年の1-3月PM2.5の可溶性分画と非可用性分画を同時にマウスに投与して喘息用病態を認めた。このときのマウスが作成した血清中に投与PM2.5蛋白質を認識する抗体があることが分かり、この抗体を用いて、免疫沈降によりPM2.5の可溶性分画中に、抗体と反応するPM2.5タンパク質を認め、電気泳動分離し、プロテオーム解析により2つのヒト由来生体蛋白質(PM蛋白1、PM蛋白2)として同定した。さらに、電気泳動状の蛋白質バンドのアミノ酸分析を行ったところ、プロテオーム解析で得たPM蛋白1と一致した。2種類の同定蛋白質の精製標品を用いて、マウスで喘息の発症実験を行ったところ、PM蛋白1は、PM2.5非可用性分画と相乗的に喘息様病態を示し、PM蛋白2は、単独で喘息様病態を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PM2.5による喘息気道炎症の原因と思われる蛋白質を既に同定し、そのタンパク質の喘息発症作用も既に検討したので、残る課題は、PM2.5蛋白質に対する喘息及び慢性閉塞性呼吸器疾患患者血清の抗体感作状況の検討だけである。
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Strategy for Future Research Activity |
同定し、さらに動物実験で喘息発症作用を認めた2つのPM蛋白質の、大気中PM2.5における分布と生体影響を検討する。すなわち、季節性、地域性、越境性を今後検討し、生体影響を、当初計画していたように、喘息、慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)等の呼吸器疾患の血清を用いて、2つの蛋白質に対する抗体価をけんとうする。PM蛋白質1に関しては、化学物質による修飾をMS解析で検討する。
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Causes of Carryover |
分担者が大型プロジェクトの責任者をしており、外国出張等が多かったため、分担研究を実行できなかった。 年度当初に物品購入の必要性があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、すでに大気中物質の分析依頼をおこなっている。
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Research Products
(5 results)