2014 Fiscal Year Research-status Report
看護職におけるヒヤリハット対策のための「こころとからだの包括的支援モデル」の開発
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26670364
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
村松 芳幸 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80272839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 公美子 新潟青陵大学, 臨床心理学研究科, 教授 (60339950)
齋藤 恵美 新潟青陵大学, 臨床心理学科, 助教 (50460324)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 睡眠 / 性周期 / 生理学的指標 / 心理学的指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)性周期と睡眠,バーンアウトとの関連性の検討を目的として、バーンアウト調査票、睡眠評価(Pittsburgh Sleep Quality Index PSQI日本語版)PSQIを用い、勤労者を対象に調査を行った。対象者242人(男性178人、女性62人、性別不明2人)であり、バーンアウト調査票の得点は、全体平均点(n=241)3.03±1.1、男性(n=177)平均点3.03±1.07、女性(n=62)平均点3.02±1.08、であった。性別によるバーンアウト得点では有意差は認められなかった。また、PSQIでは、全体平均点(n=123) 5.47±2.80、男性(n=92) 5.5±3.0、女性(n=30)5.5±2.08であり、男女間に有意差は認められなかった。 2) 睡眠の質や満足度におけるアロマセラピーの影響について、睡眠状況の変化を心理学的指標および生理学的指標を同時に測定することを目的とし検討した。睡眠状況の生理学的指標としてアクチグラフを使用し、また自覚症状の評価として、OSA睡眠調査票MA版を使用した。次に性周期やヒヤリハットに睡眠環境が及ぼす影響について検討することを目的として、アクティトレーサーを用い、自律神経機能の変化を測定した。その結果、アクチグラフよる睡眠効率、入眠潜時、睡眠中の覚醒時間、OSA睡眠調査票MA版の覚醒エピソードなど自己評価また睡眠環境による自律神経機能の変化が認められた。今回の検討では、睡眠環境としてアロマ吸入による影響を検討したが、血圧、脈拍などの指標では有意な変化は認められなかった。しかし、自律神経機能ではアロマ吸入による影響が認められ、生理的評価の際には、アロマ吸入などの睡眠に影響を与える環境についても評価する必要があると考えられた。この結果は平成27年3月6日の「心身医学カンファレンス」で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
性周期による睡眠の変化について調査する前に、男性と女性での差を検討する必要性があると考え、調査を行った。また、ポリソムノグラフィー(PSG)による検討では、ペースト使用することから、髪の毛の汚れが問題となり、その解決策としてアクチグラフによる睡眠の生理学的指標の信頼性等について検討する必要性に迫られ、現在検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
看護職者を念頭に置いて、生理学的な調査(PSGなど)することには勤務形態との関係もあり、調査協力を得ることが難しい状況である。そのため、本年度の研究で使用したアクチグラフは、装着が容易であり、アクチグラフを使用することにより、調査協力者の負担感を減らすことが可能であることが判明した。また対象者には、夜勤等の睡眠リズムの変化がない学生などを中心に行うことが現実的であると思われる。また本年度の研究から事故記入式質問票による心理学的指標の調査を同時に行うことは、調査協力者の負担感も比較的少なく有用であることが判明した。Menstrual Distress Questionnaire(MDQ)、ヒヤリハット状況、PHQ-9およびGAD-7による調査を行う予定である。
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