2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670411
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
河野 肇 帝京大学, 医学部, 准教授 (60585074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南木 敏宏 帝京大学, 医学部, 准教授 (00282749)
関根 知世子 帝京大学, 医学部, 助教 (40392005)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HDL / ATF3 / 動脈硬化 / TLR |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究により、糖尿病、動脈硬化などのメタボリックシンドロームの中核をなす病態の本体が炎症性疾患であるとの理解が進展し、これらの炎症反応にIL-1活性化機構であるインフラマソームが関与していることが明らかとなった。High Density Lipoprotein(HDL)は動脈硬化において非常に重要な役割を果たしており、その血中濃度は動脈硬化の進展と強い逆相関を示す。われわれは予備的な実験において、HDLにToll Like Receptor(TLRs)よりの自然炎症およびインフラマソームを介したIL-1の産生を抑制する効果があることを見出した。 計画 (1) in vivoとin vitroにおけるHDLのTLRシグナルに対する抗炎症効果の検討。 HDLによるTLRリガンド刺激炎症に対する抑制がCpGDNA-TLR9に限局するものではないことを検討する。(2) HDLによる抗炎症効果の分子機序についての解明 (抑制性転写因子の同定・抑制性分子のゲノムワイドスクリーニング)。HDLの抗炎症効果の分子メカニズムを解明する。現時点では転写因子レベルでの炎症抑制を想定している。マイクロアレイと細胞ベースのレトロウイルスライブラリーを用いる。(3) HDLの作用点である抑制性転写因子の動脈硬化抑制の検討(1)(2)で同定されたHDLのエフェクター分子の欠失マウスを用いて、HDLの抗炎症効果が動脈硬化において役割を果たしているかマウスモデルを用いて検討する。 結果 (1) in vitroとin vivo双方において、TLR3,7,9リガンドにおいてHDLは抗炎症効果を示すことが明らかとなった。(2) HDL投与下において非投与下と変化をきたしたmRNAをゲノムワイド解析にて検討したところ、ATF3が抑制性遺伝子の候補として挙げられた。 (3) ATF3欠失マウスにおいては、HDLによる抗炎症効果は認められず、動脈硬化も進展が認められ、以上の結果よHDLはATF3を誘導することにより抗炎症効果、抗動脈硬化作用を持つものと考えられた。
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[Journal Article] High-density lipoprotein mediates anti-inflammatory reprogramming of macrophages via the transcriptional regulator ATF3.2014
Author(s)
De Nardo D, Labzin LI, Kono H, Seki R, Schmidt SV, Beyer M, Xu D, Zimmer S, Lahrmann C, Schildberg FA, Vogelhuber J, Kraut M, Ulas T, Kerksiek A, Krebs W, Bode N, Grebe A, Fitzgerald ML, Hernandez NJ, Williams BR, Knolle P, Kneilling M, Röcken M, Lütjohann D, Wright SD, Schultze JL, Latz E
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: 15
Pages: 152-160
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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