2015 Fiscal Year Research-status Report
生体内金属関連反応の画像化を目指した金属核種を必要としない低分子PET薬剤の開発
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26670553
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (20209399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪原 晴海 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10187031)
鈴木 千恵 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (20637285)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線 / イメージングプローブ / PET / 金属錯体 / 生体内金属 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内で金属が関与する反応は多々あるが、本研究により金属核種を用いないでも、それら機能の評価が可能となれば、多くの反応のインビボ評価が可能となる。金属錯体をイメージングプローブとして用いることは核医学領域においても多く行われているが、放射性金属核種を用いて実施されてきたものであり、キレート剤自体を放射性核種で標識されることは無かった。このことは、これまで生化学的にしか評価されてこなかった微量金属関連疾患についても、インビボでその機能の解明に迫られる可能性を秘めているとともに、治療薬開発へも有用な情報を与えうるものとして期待される。 そこで、放射性銅を用いたCu-62-ATSMをモデル化合物として、そのキレート構造をC-11やF-18のような一般的なポジトロン核種で標識されたイメージングプローブを開発し、本研究の基本的なコンセプト確認を行おうとするものである。まず昨年度よりC-11標識Cu-ATSM誘導体の合成法について検討を行った。昨年度の検討よりあらかじめCu-ATSM錯体を合成後にC-11メチル基を導入する方法が有効であることが示さていたので、本年度は本プローブを実際にホット合成することとし種々反応条件の検討を行った。反応条件によっては所期とは異なる放射性標識体が生成し、所期の化合物がほとんど得られなかった。これに対して、塩基性触媒を種々検討することにより、放射化学的収率約40%程度で所期の化合物が得られることが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度については、昨年度の検討を基礎として、C-11標識Cu-ATSMを合成し、体内導体評価まで進める予定であったが、上記C-11標識体の効率的な合成反応条件の探索に手間取った。非放射性メチル化反応では進行した反応も、C-11を用いる反応では、原料-シントン比が大きく異なることから収率が大きく異なったためであり、非放射性反応の結果を基礎として、放射性反応を再度検討する必要が生じたためであった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の検討により標識体を得ることが可能となったので、今後は本イメージングプローブを活用して、正常動物における体内導体評価、担癌マウス動物における腫瘍への取り込み実験、およびそれぞれインビトロ検討などを推進し、本来の目的である生体内金属反応を放射性有機標識体による評価が可能であるかどうかのPOCを得る。
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Causes of Carryover |
本年度放射性標識体と用いた生体内動態評価まで進める予定であったが、放射性標識体の合成検討に手間取ったため、上記動物実験が遅れたころにより、動物経費や動物用PET使用料予定額の支出が無かったために次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の検討により所期の放射性標識体を得るための反応条件を見出すことが出来たので、今度は予定通り動物での体内動態やインビトロ試験を施行することで本研究のPOCを得る予定である。このために必要な所要額となる予定である。
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