2014 Fiscal Year Research-status Report
微小重力培養骨髄間葉系幹細胞と磁性粒子を用いた重症虚血肢再生治療
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26670617
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
末田 泰二郎 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (10162835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弓削 類 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (20263676)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重症虚血肢 / 骨髄間葉系幹細胞 / 血管前駆細胞 / 微小重力下細胞培養 / 磁性粒子パッチ / 血管再生 / 筋肉再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
下肢重症虚血肢には骨髄間葉系幹細胞を患肢に直接注射する血管再生治療が行われてきたが重症閉塞性動脈硬化症では効果が明らかではなかった。腸骨から得られる骨髄間葉系幹細胞は少なく、細胞数増やすためには一定期間細胞培養を繰り返す必要がある。この間に分化誘導がかかり血管前駆細胞以外の細胞へと分化が進行する可能性がある。分担研究者の開発した模擬微小重力細胞培養装置(Gravite;(株)スペースバイオラボラトリー)は宇宙環境と同じー10x3G(1000分の1重力)環境下で細胞培養する装置で無添加培地でも骨髄間葉系幹細胞を大量に未分化な状態で培養できる。本研究では、微小重力下で未分化骨髄間葉系幹細胞を短期間に大量培養して、重症虚血肢患者に静脈投与して、患肢には磁性粒子パッチを貼付して骨髄間葉系幹細胞を集積、分化させて重症虚血肢の血管再生、筋肉再生を行うことを目的とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、微小重力下で未分化骨髄間葉系幹細胞を短期間に大量培養して、重症虚血肢患者に静脈投与して、患肢には磁性粒子パッチを貼付して骨髄間葉系幹細胞を集積、分化させて重症虚血肢の血管再生、筋肉再生を行うことを目的とした。平成26年度はラビットの大腿動脈を結紮して、下肢虚血モデルを作成、作成7日目に①微小重力下2週間細胞培養した未分化骨髄間葉系幹細胞注射群、②通常培養で2週間培養した骨髄間葉系幹細胞注射群、③生理食塩水注射群で、虚血下肢の血管新生、筋肉再生に差がでるかを検討した。3群間で①、②群はコントロール群に比べて微小血管再生が見られた。しかし、ラビットの免疫染色用の抗体がないために微小血管再生を定量的にしらべることが難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、移植する骨髄間葉系幹細胞をgreen fluorescent protein (GFP)を用いて染色して、患肢に骨髄間葉系幹細胞が集積しているかを検討する。また、患肢に磁性粒子を含んだパッチを貼付して磁力による骨髄間葉系幹細胞集積効果があるかを検討する。
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Causes of Carryover |
実験動物が当初予定より少なく予定どうりに実験が行われなかった為に剰余金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は磁性粒子パッチを作成して上記3群のラビットの患肢に巻き、骨髄間葉系幹細胞の集積効果があるかを検討する。細胞分化は磁力のような力学的な力に依存している。微小重力細胞培養で骨髄間葉系幹細胞が未分化細胞のままで大量培養できるのも微小重力という重力場が関与している。磁性粒子パッチの付加効果を多くの動物実験で検証する。
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