2014 Fiscal Year Research-status Report
悪性神経膠腫に対するALA-PET誘導式音響力学療法の開発
Project/Area Number |
26670632
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 浩之 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺坂 俊介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10447055)
工藤 信樹 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (30271638)
志賀 哲 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80374495)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / 神経膠腫 / 超音波 / 音響力学療法 / アミノレブリン酸 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は悪性神経膠腫に対する新規補助療法となり得る音響力学療法(sonodynamic therapy, SDT)の確立を目指すin vitro研究である。超音波によって励起され活性酸素を発生する音響感受性物質を腫瘍細胞に取り込ませたのち、超音波照射を行い細胞障害性を発揮するかどうかを検討することが本年度の研究達成目標である。 音響感受性物質としてアミノレブリン酸、またポルフィリン誘導体であるタラポルフィンNa(TS)、プロトポルフィリンIX(PPIX)も比較対象として用いた。細胞株はラット神経膠腫細胞C6とヒト神経膠腫細胞U87を用いた。細胞を単層培養したシャーレに超音波照射を行うが、この照射装置は共同研究者である工藤信樹氏が作成。超音波波長、周波数などのパラメータを任意に設定できるようにし、照射条件の設定をまず行った。ついで各音響感受性物質の投与量を検討。各々を適正化したところで殺細胞効果を蛍光免疫染色並びにFACSにて解析した。 C6に対するSDTではALA、TS、PPIXともコントロールに比べ有意な殺細胞効果が確認できた。また本治療の殺細胞効果発揮のメカニズムはアポトーシス誘導が主体であることを明らかにした。一方U87を用いた実験では同様の条件下にもかかわらず十分な殺細胞効果が確認できなかった。これは細胞内への音響感受性物質の取り込みが細胞によって異なることが原因と推測された。 本実験結果を論文化し現在国際専門誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度目標であったALAを用いた音響力学療法のin vitroによる検討が終了した。 次年度計画であるPETトレーサー開発に関しては現在具体的な方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ALAを用いたPET用トレーサーの開発は、現在その基本的な部分い関して共同研究者である志賀哲氏が放射線医学総合研究所(放医研)との共同研究を計画中である。放医研ではすでにALAと類似したアミノ酸を11Cで標識した11C-MALの開発に成功しているため、これをもとにALAトレーサーを開発していく予定である。また、放医研だけでなく今後は北海道臨床開発機構(HTR)の支援にて当施設内での共同研究も計画中である。 in vivoの実験を計画しているが、予算枠内で照射装置の準備が不可能であることが最大の問題点である。
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Causes of Carryover |
平成27年3月納品分が、平成27年4月支払いとなるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の消耗品費として使用。
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Research Products
(1 results)