2016 Fiscal Year Annual Research Report
Association between 24 hour ambulatory blood pressure monitoring and postoperative cardiac function in patients with sleep apnea syndrome
Project/Area Number |
26670679
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡崎 純子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (80645531)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ABPM / sleep apnea / 周術期 / 心機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時無呼吸(SAS)患者の術後心臓合併症のリスク評価として, 24時間自由行動下血圧測定(ABPM)の有用性を検討するため、中等症以上のSAS患者において『術後トロポニンTの増加は、術前血圧日内変動がnon-dipper型の患者でより大きい』という仮説を検証する前向き観察研究を行った。腹部手術を受ける20歳から80歳の高血圧と中等症以上SAS合併患者40名を対象とし、ABPMを術前と手術翌日に試行し、手術直前と術後2日目朝にトロポニンTとNT-proBNPの測定を目標とした。dipper型とnon-dipper型の患者数が約半数ずつに分布すれば、仮説の検証が可能と考えた。 [結果]現時点で、10名の患者から同意を得て研究を実施した。術前sleep studyで7名が中等症、3名が重症SAS患者であった。術前血圧変動パターンは中等度SAS患者の7例中3例がnon-dipper、4名がdipperに対し、重症3例は全例non-dipperであった。術後の血圧変動パターンは7例で実施でき、6例でパターンが悪化した。トロポニンT値は、術前 0.008±0.002 に対し、術後0.007±0.001 ng/mlと変化なく、基準値0.014ng/mlを超えた症例もなかった。NT-proBNPは、術前 22±13 pg/ml に対し、術後85±78 pg/ml (P=0.07)と増加傾向を認めた。[考察]現在目標症例数に達せず結論は出せないが、研究仮説を支持するとも解釈できる中間結果となっている。術後トロポニンT値は症例数が増えれば差が見られる可能性があるが、現時点では血圧変動パターンと心筋障害との関連性は支持されていない。NT-proBNPは周術期の体液変動にも影響されるが、夜間血圧変動パターンの悪化との関連する結果は、さらに症例を重ね研究を推進させる意義を支持すると考える。
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