2015 Fiscal Year Research-status Report
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26670732
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
河野 菜摘子 明治大学, 農学部, 講師 (00451691)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子宮内殺精子因子 / 生殖免疫 / 補体 / 精漿タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、子宮内におけるC3の発現条件やその活性化機構について解析を行った。先ず、野生型のメスマウスを用いて、腟スメア法で性周期を発情期および休止期に分類し、その子宮からmRNAを精製し、C3の発現量をqPCRにて確認した。その結果、発情期の子宮ではC3が高発現しており、休止期の子宮では低い値であることが分かった。一般的に、肝臓で補体は合成されると言われているが、発情期の子宮におけるC3発現量は肝臓と同レベルであることも明らかとなった。 一方、卵巣内での卵子の発育・排卵を強制的に行うPMSG/hCG注射(過排卵)処理をしたマウスは一般的に発情期と同じだと考えられるが、その子宮内液には精子を殺す作用が見られないことも明らかとなった。そこで、過排卵処理した子宮からmRNAを回収し、C3の発現を調べたところ、休止期と同等の低い発現量であることも判明した。以上の結果から、子宮C3は性ホルモンの感受性があること、またそのホルモンはLH/FSHではないことも判明した。 昨年度までの研究から、子宮内には補体C6-C9の因子が存在しないことが明らかとなっている。この結果は子宮内で補体パスウェイが働いていないことを示唆している。本年度はC3の働きを調べる目的で、発情期のマウスから回収した子宮内液を体外で処理し、C3の活性化状態を調べた。通常、ザイモザンを添加することによってC3はC3αがC3α'となり活性化することから、ザイモザン処理した子宮内液をポジティブコントロールとし、精子処理をした子宮内液を調べた。その結果、子宮内液に含まれるC3はC3αのままであり、精子処理をした子宮内液でも活性化される様子は見られなかった。これらの結果から、子宮内で精子が死滅する経路には、補体の古典的な活性化は関与していないと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、子宮内の殺精子因子の候補である補体C3のKOマウスを導入し、解析を開始しているはずであったが、マウスの搬入が行えず野生型マウスでの解析に留まってしまった。このように実験ペースが遅れた原因は、平成27年度に所属が明治大学へ変わり、実験環境や授業等の仕事が増えたため、これまでと同じペースで実験を行うことが難しかったためである。しかし28年度は実験環境も整備され、授業等の仕事も慣れてきたため、以前のペースで結果を出すことが可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、子宮内の殺精子因子は補体C3である可能性が高くなっている。しかしその作用機序は一般的なものではないことから、作用機序を明確にするためにはC3KOマウスを導入し、野生型との違いを詳細に調べる必要があると考えている。本年度の前半にその解析を急ぎ、年度内に結果を出したい。
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Causes of Carryover |
2015年度3月分の人件費・謝金を支払うために、次年度使用額が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度3月分の人件費・謝金に使用する。
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