2014 Fiscal Year Research-status Report
眼組織基底膜の糖化最終産物検出と生体内における糖化最終産物検出用臨床機器の開発
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26670755
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
園田 康平 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10294943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 亮二 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (10346554)
森重 直行 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40346565)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 最終糖化産物 / ヘモグロビン / 基底膜散乱 / 生体検査 / 非侵略的検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では,1.糖尿病動物の作成および動物モデルにおける基底膜AGE化の検討,2.励起光のスクリーニングを行った。 1.4~6週齢のWhister ratに対しstreptozotocin 70mg/kg BWを腹腔内投与し,I型糖尿病モデルを作成した。基剤のみを投与した対照群では血糖値が70~150mg/dlで推移したのに対し,Streptozotocin投与群では,Streptozotocinの1回または2回投与で全て血糖値が300~600mg/dlの高血糖値を呈し,かつ尿糖が4+陽性を呈するようになった。糖尿病導入後3ヶ月で眼球を摘出し,抗AGE抗体で免疫染色を行ったが,角膜上皮基底膜,デスメ膜,結膜上皮基底膜,水晶体嚢,結膜血管内皮のAGE化は観察されなかった。 2.正常眼球を摘出し,多光子顕微鏡システムを用いて,角膜上皮基底膜部分のspectrumパターンを採取した。対照群から得られた正常角膜では,予想される角膜上皮基底膜における780nmでの反射光像鏡は観察されなかった。Streptozotocin投与群における3ヶ月間糖尿病状態とした糖尿病動物モデル角膜におけるspectrumパターンを採取したが,正常角膜と同様のspectrumパターンを示した。同様に,結膜の上皮基底膜の部分の780nm励起光による反射光の評価を行ったが,対照群とStreptozotocin投与群との間に明らかな差異は見られなかった。当該年度の検討から,長期間にわたる糖尿病状態が角膜上皮基底膜のAGE化に必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖尿病動物の作成については順調に行うことができており,現状では糖尿病罹病期間が必要であることが明らかとなっている。今後の問題点が明らかになっており,次年度以降で研究を推進できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,長期罹病糖尿病モデルを作成,飼育している。これらのモデルを用いて安定した組織変化を検出し,ヒト検体への応用及びin vivoモデルでのAGE検出を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は動物モデルの作成が中心となり,免疫染色用の抗体使用量が少なくなったため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降は抗体使用量が増加するため,次年度使用予算を充てる予定にしている。
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Research Products
(13 results)