2014 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症ラット検体を用いた近赤外とラマン分光法の新規解析技術の開発
Project/Area Number |
26670785
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小池 薫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10267164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
鈴木 崇生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40328810)
佐藤 格夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30409205)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 複雑な混合物 / 近赤外分光法 / 敗血症 / ケモメトリクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、「複雑な混合物」全体の物性を識別できる、独自の電磁波信号処理方式を開発した。近赤外スペクトル法は、非破壊、非接触で、瞬時に測定できる電磁波計測法で、救急・集中治療領域では、リアルタイム計測ツールとして大きな魅力を有する。本研究では、リポポリサッカライド (LPS) 2 mg/kg あるいは10mg/kgを腹腔内投与した敗血症ラットから血漿を採取した。「LPS 2 mg/kg 血漿群」と「LPS 10mg/kg血漿群」の近赤外スペクトルデータについて両群の識別を目的として、PLS-DA法による解析を行った。すべてのスペクトルデータを用いて行った結果では、ファクター1で、「LPS 2 mg/kg 血漿群」と「LPS 10mg/kg血漿群」が正負の異なるスコアを持つ傾向は示されたが、両群を明瞭に分離することは困難であった。そこで、各変数のローディング値から重要な変数値を選択して、再度PLS-DA法による解析を行ったところ、ファクター1およびファクター2によって、両群を識別できる可能性が示唆された。肝についても同様の検討を行ったが、試料の不均一性に起因すると思われる計測値のバラつきが大きく、解析を行うに十分な精度をもつスペクトルデータを得られることができなかった。今後は、臓器試料については、反射スペクトルを用いたスキャナによる計測を行うことが望ましい。 ラマンスペクトルについては、標準試料のデータに基づいて、血漿・肝の計測を試みたが、本研究期間中では、基礎的な検討にとどまっており、今後更なる検討を継続する予定である。
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