2014 Fiscal Year Research-status Report
新規生体危険信号因子ヌクレオフォスミンの受容体と抑制因子の探索
Project/Area Number |
26670793
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20082282)
三浦 直樹 鹿児島大学, 獣医学部, 准教授 (80508036)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20381171)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 敗血症 / アラーミン / ヌクレオフォスミン |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症の病態の進行に伴い、細胞の核から生命維持に必須なタンパク質が放出され本来の生命維持機能とは全く逆の、生体を死へ導く。よって、この核タンパク質の制御は、敗血症の病態亢進抑制につながる。最近、研究代表者らは世界に先駆けてヌクレオフォスミン(NPM)を生体危険信号因子(アラーミン)としての可能性、さらには、免疫活性可能を証明してきた。しかしながら、NPMの受容体、さらには、抑制因子が未だ解決されていない。したがって、本研究では、さらなる敗血症の病態の解明を進めるために、NPMの受容体の同定、NPMのアラーミン活性の抑制物質の同定を目的とする。将来的に、他の核タンパク質群(HMGB1、ヒストン)との関連性を解明し、敗血症患者の劇的な治療法の確立を目指す予定である。 本年度は、1.NPMと結合するタンパク質の同定、2.活性酸素への影響の検討を行った。 1.NPMと結合するタンパク質に関しては、同じアラーミンのHMGB1、ヒストンに結合タンパク質トロンボモジュリンとの結合を検討した。その結果、NPMとは結合出来なかった。非常に興味深い結果となった。なぜなら、HMGB1、ヒストンとは違うタイプのアラーミンと示唆される。 2.活性酸素の影響に関しては、マウスマクロファージ様細胞、RAW264.7を用いて検討した。その結果、NPMは細胞内の活性酸素を消去する反応が見られた。おそらく、NPMの細胞外での「善」の反応によるものと示唆される。全く新規の知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、ヌクレオフォスミン(NPM)の結合タンパク質に関しては、未だ同定されていない。しかしながら、NPMの機能では、新規の知見が得られた。結合タンパク質の同定がトロンボモジュリンとの結合に時間を要し、スクリーニングの検討を行えなかった。よって、やや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、ヌクレオフォスミン(NPM)結合タンパク質の同定をファージディスプレイまたは、yeast two-hybrid法などを用いて行っていく予定である。さらには、NPMの受容体の検討を行う予定でもある。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The E3 ligase synoviolin controls body weight and mitochondrial biogenesis through negative regulation of PGC-1β.2015
Author(s)
Fujita H, Yagishita N, Aratani S, Saito-Fujita T, Morota S, Yamano Y, Hansson MJ, Inazu M, Kokuba H, Sudo K, Sato E, Kawahara K, Nakajima F, Hasegawa D, Higuchi I, Sato T, Araya N, Usui C, Nishioka K, Nakatani Y, Maruyama I, Usui M, Hara N, Uchino H, Elmer E, Nishioka K, Nakajima T.
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Journal Title
EMBO J
Volume: 34
Pages: 1042-55
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cleavage of host cytokeratin-6 by lysine-specific gingipain induces gingival inflammation in periodontitis patients.2015
Author(s)
Tancharoen S, Matsuyama T, Kawahara K, Tanaka K, Lee LJ, Machigashira M, Noguchi K, Ito T, Imamura T, Potempa J, Kikuchi K, Maruyama I.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10
Pages: e0117775
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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