2015 Fiscal Year Annual Research Report
融合プロテオミクスと動物モデルを用いたヘテロな細胞集団の悪性化進行機構の解明
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26670820
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
ウィルソン森藤 政代 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 研究員 (90271113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 令江 熊本大学, その他の研究科, 准教授 (80253722)
田代 康介 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00192170)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Heterogeneity / Malignancy / Cell-Cell communication / Metastasis / Oral cancer |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞は外的環境などの影響により、不均一(ヘテロ)ながん組織が形成され、治療感受性の違いが生じ、がん治療を困難にしているので、ヘテロながんの性状を明らかにすることは重要である。 われわれは非転移性がん細胞と転移性がん細胞からなるヘテロな細胞集団のヌードマウス移植群が、単一転移性がん細胞移植群と比較し予後が不良であることを検証した。本研究はがん細胞間コミュニケ-ションにより亢進する分子シグナルネットワークと重要分子を同定し、ヘテロながん細胞集団の悪性化進行機構を解明し、悪性化進行阻止法の開発に繋げる研究である。ヘテロながん細胞集団、各単一がん細胞集団の網羅的遺伝子解析を行った結果、ヘテロながん細胞集団で424分子が高発現し、Rho GDI Signaling、G-Protein Coupled Receptor Signaling (GPCR)、c AMP-mediated signaling、Gi Signalingなどの分子シグナルネットワークの亢進が認められた。424分子中で、転移性がん細胞のみに高発現する分子は55個、TNF Signaling(HIF-1αに繋がる)、Gi Signaling、Glutaredoxinなどの分子シグナルネットワークが亢進していた。転移性がん細胞ではTNF-αによる浸潤能の亢進が認められ、HIFシグナルネットワーク(遺伝子・タンパク質解析)が亢進していた。また、HIF-1αノックダウン転移性がん細胞は動物モデルにて転移能が減少した。単一転移性がん細胞集団と比較し、活性型HIF-1αはヘテロながん細胞集団で、早期に発現していた。以上よりヘテロながん細胞集団の悪性化進行機構の1因として、TNF Signalingの亢進より、浸潤能が増大し、活性型HIF-1αが早期に発現し、悪性化が増大する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)