2014 Fiscal Year Research-status Report
セマフォリン3Aと歯髄幹細胞を用いた新規象牙質/歯髄複合体再生直接覆髄法の開発
Project/Area Number |
26670826
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 講師 (60380466)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤峰 昭文 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00117053)
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
門野内 聡 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30609558)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 歯髄細胞 / 象牙質再生 / 露髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sema3A がヒト歯髄幹細胞の硬組織形成に及ぼす影響について検討を行った。先ずSD ラット(4週齢、雄性)の上顎臼歯部の組織切片を用いて抗 Sema3A 抗体による免疫蛍光染色を行った結果、ラット歯髄組織に陽性反応が認められた。また半定量的 RT-PCR 法にて、ヒト歯髄幹細胞(HDPC) clones において Sema3A, Nrp1, PlxnA1, PlxnA2 の遺伝子発現が認められた。 次にSema3A (10ng/ml) を添加した石灰化誘導培地にて4週間培養した HDPC clones において、Alizarin-red 陽性反応の増加が認められた。また、培養2週間で DSPP, DMP1、培養3週間で ALP, OCN の遺伝子発現量が有意に上昇した。さらにScratch wound healing assay, Transwell assay および WST-1 proliferation assay を用いて Sema3A がHDPC clones の遊走能、走化性および増殖能に及ぼす影響について検討したところ、いずれも有意に上昇した。 ラット露髄モデルにおいて、Sema3A (25ng) を用いて直接覆髄した臼歯 では、象牙芽細胞様細胞の配列、象牙前質および象牙細管様の構造を伴った修復象牙質の形成が認められたのに対し、control ではそれらの構造は認められず、骨様象牙質の形成が認められた。 以上の結果から、Sema3A は象牙質再生において機能的に作用する因子であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は、1年目はSema3Aの歯髄細胞による硬組織形成に及ぼす影響を検討する目的で、in vitro実験での解析の予定であったが、in vivoラット露髄モデルを用いた解析の予備実験まで進めることができたため、概ね順調に進展していると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、先ずin vivo 露髄歯ラットモデルを用いたSema3Aおよび歯髄幹細胞移植による直接覆髄法の象牙質および歯髄組織再生能の検討を進めていく予定としている。現在までに予備実験を終了しているので、さらに詳細に条件を検討した上で、解析していく。 次に、Sema3Aによる歯髄細胞における硬組織誘導メカニズムをより詳細に検討する。具体的にはbeta-cateninシグナル経路に焦点を絞り、解析を行う予定としている。
|
Causes of Carryover |
当初の計画では、in vitro3次元培養法を用いたSema3Aによる歯髄幹細胞の象牙芽細胞分化に対する影響を解析する予定としていたが、予備実験で3次元培養法の確立に至らなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
in vitro2次元培養法を用いて、Sema3Aによる歯髄幹細胞の象牙芽細胞分化に対する影響をさらに詳細に検討する。具体的には、beta-cateninシグナル経路に着目しSema3Aによる硬組織誘導メカニズムを生化学的に検討する予定としている。
|
Research Products
(3 results)