2015 Fiscal Year Research-status Report
生体内核酸送達による骨再生法の開発に関する戦略的研究
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26670859
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 伸介 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20466733)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30344451)
藤原 夕子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50466744)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨再生 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、骨形成性遺伝子を内包したナノミセルを用いた欠損部周囲の骨形成性細胞への核酸送達により骨形成を誘導する歯槽骨再生法の可能性を探り、その基盤技術を創出することを目的としている。 2. 骨形成性遺伝子のin vitro mRNA作製とmRNA 内包ミセルの作製 mRNA内包ミセル作製のためのin vitro mRNA作製法と作製したmRNAをミセルに内包する際の条件を確立することが本サブテーマの目的である。まず、レポーター遺伝子(クラゲ緑色蛍光蛋白質およびホタルルシフェラーゼ)のmRNAを用いて、in vitro転写によって効率的に、高品質なmRNAを合成する条件を見出した。 次にin vitroで作成したmRNAを内包したミセルが、in vivoにおいて遺伝子発現を誘導できるかをマウス膝関節において検証した。レポーター遺伝子mRNA搭載ミセルをマウス膝関節腔内に注入すると、関節周囲の細胞に導入されることを確認した。最後に、proof-of-conceptスタディーとして、上記のマウス膝関節の実験系を用い、軟骨形成性遺伝子mRNAを搭載したミセルの関節腔内注射が軟骨の治癒を促進することを確認した。以上により、治療用遺伝子mRNA搭載ミセルが、骨格系において組織修復を誘導できるコンセプトが証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、in vitro mRNA作製とmRNA 内包ミセルの作製の最適化が完了した。さらに、mRNA内包ミセルが骨格組織において遺伝子発現を誘導できること、さらには治療効果も有する可能性も確認できたことから、研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初計画に従い、げっ歯類における骨欠損モデル・骨折モデルを用いて、治療用遺伝子mRNA内包ミセルの、骨再生・骨修復効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
同一の性能で、当初予定よりも安価な試薬が存在することが判明し、物品費にかかる費用が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費にあてることを計画している。
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Research Products
(9 results)