2014 Fiscal Year Research-status Report
神経管近傍頭部神経堤細胞に着目した“歯を作る細胞”の探索
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26670886
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉崎 恵悟 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10507982)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯 / 再生医学 / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は歯を作る神経堤由来間葉系幹細胞に着目し、歯の形成に重要な遺伝子をスクリーニングすることを目的として研究を開始した。初年度は、胎生8.5日齢マウス胚から将来下顎となる第一鰓弓を含む神経管の器官培養法を確立した。このシステムを用いて神経管近傍にある神経堤由来細胞にDiIを注入し、器官培養を行うと、細胞群が第一鰓弓へと遊走している様子が観察された。これら細胞の中に歯の形成に重要な細胞が含まれていることが予測される。 さらに、歯の形成に重要な因子をスクリーニングするため、E11, E13, E14歯胚と同時期の胎仔全体のtotal RNAを抽出し、microarray法にて網羅的解析を行った。この解析により、23個の歯に特徴的な発現パターンを示す候補遺伝子のスクリーニングに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究により、歯の形態形成に関わると考えられる23個の因子の同定に成功した。これは初年度計画の最大のポイントであり、研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングされた標的遺伝子について、機能解析を行う。我々は歯胚器官培養法を確立しているため、shRNAもしくはsiRNAを導入することで当該遺伝子の歯胚形成における機能解析を行う。さらにマイクロインジェクション装置および器官へのエレクトロポレータを用いて器官培養に遺伝子ノックダウン系を導入することで歯胚形成能を観察する。また、歯原性間葉細胞株に標的遺伝子を遺伝子導入することでその分化能を検討する。
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Causes of Carryover |
歯の形成に関わる因子のスクリーニングに成功したが、その際比較検討に用いたサンプル数が当初予定より少なくて済んだため、分子生物学実験用試薬に関わる消耗品費が当初予定より少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
スクリーニングされた遺伝子群をクローニングする必要があり、その際に用いる試薬にかかわる消耗品費として計上する予定である。
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