妊娠期における口腔ケア推進プログラムの構築

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26670907
• Research Institution: Aomori University of Health and Welfare
• Principal Investigator: 齋藤 良子 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (20362767)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 口腔衛生 / 産後うつ病 / 産後のメンタルヘルス / 妊娠期のメンタルヘルス / Maternal comfort / 自己効力感 / GHQ / GOHAI

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、妊娠期における口腔ケア推進プログラム構築のための基礎的研究である。妊娠期の口腔ケア行動（歯周基本治療を含む）が妊婦や産後女性の口腔衛生状態および精神健康状態に及ぼす影響を明らかにし、それを基に口腔ケア推進プログラムを構築し、妊婦のセルフケア能力を高めることを目的としている。
初年度である平成２６年度は、Ａ市の産後４か月女性118名を対象に、歯科医師指導のもと歯科衛生士による口腔衛生状態の評価、および精神健康調査票、口腔関連ＱＯＬ尺度、周産期コンフォート質問票などの自己記入式質問紙調査を実施した。未処置歯数および歯石沈着本数をもとに２群を設定して比較検討した結果、口腔衛生状態と精神健康状態との関連性が示唆され、齲蝕や歯石沈着の治療、そしてそれに伴う歯科クリニックでの温かな対応によって、口腔衛生状態および精神衛生状態を改善できる可能性が示唆された（齋藤良子：産褥４か月女性の口腔衛生状態と精神健康状態との関連, 女性心身医学 20; 1-11.）。
さらにＡ市の妊婦119名を対象に同様の調査を実施し、うち36名を産後４か月に追跡調査することによって、妊娠期から産後4か月おける口腔衛生状態および精神健康状態の変化と関連性について検討するとともに、妊娠期から産後におけるコンフォート（快適さ）を測定する尺度として「周産期コンフォート質問票」を開発し、尺度の信頼性および妥当性を検討した（雑誌査読中）。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成27年度までは、Ａ市で収集した妊婦群および産後女性群の口腔衛生状態および精神健康状態のデータを分析することによって、本研究目的をほぼ達成できていたので、最終年度である平成28年度には、最終段階である口腔ケア推進プログラム構築に向けて、Ａ市における妊婦群を対象にした介入研究の計画を立案し始める予定であった。
しかしながら、平成28年度前半から研究代表者のその他の業務の多忙が続き、当初の予定通りに進めることができなかったため、補助事業期間延長申請をし、承認された。

Strategy for Future Research Activity

研究代表者の研究環境の調整が完了しつつあるので、平成29年度は平成28年度当初の研究計画を進める予定である。
まず、現在査読中の原著論文を含め、平成26年度から平成27年度に収集した全てのデータを用いて原著論文を雑誌投稿するなどの研究成果発表を予定している。さらに、本研究の最終段階である口腔ケア推進プログラム構築に向けて、妊婦群を対象にした介入研究を計画して始動する予定である。

Causes of Carryover

平成28年度前半から、研究代表者のその他の業務の多忙が続き、平成28年度当初の研究計画を進めることができなかったため、補助事業期間延長を申請し承認されたため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

国内学会での成果発表のための交通費、別刷の印刷代、そしてデータ収集のためのＣ市への交通費、研究協力者への謝礼、口腔衛生状態の診査に必要な消耗品等の支出を予定している。