2014 Fiscal Year Research-status Report

東日本大震災で被災した看護管理職の体験の構成要素と構造

Research Project

Project/Area Number	26670933
Research Institution	Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing
Principal Investigator	河原田榮子日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (10227324)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	杉浦美佐子椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (40226436) 吉谷優子日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 講師 (80294106) 寺島泰子日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 講師 (40341680)
Project Period (FY)	2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords	災害看護 / 震災 / 看護管理 / 看護師 / 東日本大震災 / インタビュー / 被災者
Outline of Annual Research Achievements	H26年度末までに、先行研究の提示する主に日本の①被災者支援に携わった看護師の体験・デブリーフィング事例②看護に限らない災害時の管理・連携の事例③災害教育・災害看護教育事例から、体験の実際、援助の必要性・方向性・要点などを整理、被災者の体験に関する理論・研究から、被災者の体験の過程を「被災直後」「それより後」に分けて整理する。その際、外傷的体験後4週間以内に起こる「急性ストレス障害」とそれ以降の「心的外傷後ストレス障害」に分けて医療を行っている実態を参考にし、それらと、看護管理職の役割を勘案して、看護師と看護管理職へのインタビューガイドをそれぞれ作成した。プレテストを実施、インタビューガイドの改善をした。所属機関の研究倫理審査の承認を得て、研究対象者との日程調整ができたので、当初平成27(2015)年度に予定していた、看護師と看護管理職への半構成的なインタビューを実施し、一部について、インタビューから得られたデータの分析を始めた。計画より早く進めたのは、研究対象者との日程調整の中で、被災後時間が経って行くのでできるだけ早く話したいとの声があったこと、研究対象者との日程調整、プライバシーを保てる場所を借りる等の協力が得られたこと等による。なお、H27年度から、すでに済んだインタビューから得られたデータを分析し、まとめて、学会等に発表したいと考える。さらに、インタビューを予定している。 H28年度には、インタビューから得られた構成要素・構造と先行研究との対比から、被災した看護師・看護管理職に必要な支援を検討、看護師・看護管理職への支援方法の体系を提示する。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 1: Research has progressed more than it was originally planned. Reason H26年度計画通り、先行研究の提示する主に日本の①被災者支援に携わった看護師の体験・デブリーフィング事例②看護に限らない災害時の管理・連携の事例③災害教育・災害看護教育事例から、体験の実際、援助の必要性・方向性・要点などの整理を行った。得られた被災者の体験に関する理論・研究から、被災者の体験の過程を「被災直後」「それより後」に分けて整理する。その際、外傷的体験後4週間以内に起こる「急性ストレス障害」とそれ以降の「心的外傷後ストレス障害」に分けて医療を行っている実態を参考し、看護管理職の役割を勘案して、看護師と看護管理職へのインタビューガイドをそれぞれ作成した。プレテストを実施、インタビューガイドの改善をした。ここまで、予定より早く進んだため、研究対象者との日程調整を行い、当初H27年度に計画していた看護師と看護管理職への半構成的なインタビュー実施を33名に行った。内訳は、看護師7名、看護管理職26名であった。得られた結果について、一部、逐語録作成と分析を始めた。早めに進めたのは、実際に研究協力者との日程調整の中で協力が得られたことと、東日本大震災被災からできるだけ時間がたたないうちに話したいとの声があったこと等による。インタビューについては、対象者本人にとって少しでも負担にならなく、かつ、プライバシーを保てる場所や時間帯などをインタビュー担当者と相談して設定についても、研究対象者所属医療機関の協力が得られた。
Strategy for Future Research Activity	平成27(2015)年度は引き続き、看護師と看護管理職への半構成的なインタビューを実施する。30名程度を予定している。その後、インタビューから得られたデータを分析、体験の構成要素を抽出、構成要素からなる体験の構造を分析する。平成28(2016)年度には、インタビューから得られた構成要素・構造と先行研究との対比から被災した看護師・看護管理職に必要な支援を検討し、看護師・看護管理職への支援方法の体系を提示したい。なお、H27年度からすでに済んだインタビューから得られたデータを分析し、まとめて、学会等に発表したいと考える。当面は、日本災害看護学会第17回年次大会、第37回日本手術医学会総会、第51回日本赤十字社医学総会等を予定している。