2014 Fiscal Year Research-status Report
ベッドサイドでの足浴時の看護者の作業姿勢負担軽減のための足浴車の開発
Project/Area Number |
26670947
|
Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
遠藤 明美 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (30625398)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ベッドサイド足浴 / 作業姿勢負担 / 静的筋疲労 / しゃがみ姿勢 / 表面筋電図 / 組織酸素飽和度 / VAS |
Outline of Annual Research Achievements |
ベッドサイドでの足浴実施における持続的なしゃがみ姿勢や前傾姿勢による看護者の静的な筋疲労という作業姿勢負担の軽減方法および足浴車の開発を目的とする。本年度は、看護学生を対象として、ベッドサイドでの足浴における看護者の作業姿勢負担を表面筋電図および体圧分散システムを用いて定量化する方法を明らかにすることである。研究は当大学倫理審査委員会の承認を得て開始した。 まず、しゃがみ動作時の筋疲労に関する報告を参考に、表面筋電図を用いた測定準備を行なうとともにプレテストを行った。しゃがみ動作時の筋疲労としゃがみ姿勢での筋疲労では部位や程度に違いがあることがわかるとともに、表面筋電図の測定は最低でも3か所の同時測定が必要であることが明らかとなった。 また、先行研究結果や本年度臨地実習終了後の学生の足浴に対する意見調査により、しゃがみ姿勢では下腿の苦痛として正座時のようなしびれやはりの訴えが多いことがわかった。この下腿のしびれに注目し組織酸素飽和度の同時測定を加え、基礎的なデータ収集として、しゃがみ姿勢2パターン(踵を着く、踵を着かない)・立位・座位での測定を行った。組織酸素飽和度はしゃがみ姿勢では徐々に低下し定量化の指標となることが示唆された。また、主観的データの定量化として用いたVASの分析からも、しゃがみ姿勢での下腿部の苦痛が示唆された。一方、ベッドサイドでの足浴実施においては、重心動揺として荷重中心軌跡の測定やストレス度の指標とした唾液アミラーゼは、他の要因(足浴時の物品配置や会話や慣れなど)による影響がうかがえ、工夫や改善が必要と考えられた。一方、足浴の実施をとおして、先行研究結果で示された足浴時間としゃがみ姿勢の時間は異なることが明らかとなった。表面筋電図によるデータは静的な筋疲労としての分析を進めているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の計画にあげた看護学生を対象としたベッドサイドでの足浴における看護者の作業姿勢負担の定量化に関して示唆は得たものの、測定機器の追加購入などにより測定が遅れデータ分析にも遅れが生じている。しかしながら、新たな定量化の指標を見出すとともに測定方法に関する実際的な示唆を得ることはできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の看護学生を対象とした研究成果のまとめをすすめ、学会発表および論文投稿を行う。とともに、本年度示唆された新たな定量化の指標を加えた測定方法の修正・追加や測定機器の調整と工夫を行う。また、ベッドサイドでの足浴実施におけるしゃがみ姿勢での重心動揺として荷重中心軌跡の測定やストレス度の指標とした唾液アミラーゼ測定に影響を及ぼすと考えられた要因(足浴時の物品配置や会話や慣れなど)に対する実験方法の工夫や改善策を検討する。 また、平成27年度は、看護者を対象として、ベッドサイドでの足浴における看護者の作業姿勢負担を定量的に明らかにする。臨床で実際に足浴にかかわる看護者に研究協力のための説明と募集を行う。さらに協力依頼とともに日程を調整し、修正・追加した実験方法に従ってデータ収集を行う。データ収集とともに分析を並行して行い、方法の適切性の確認を行いながらすすめる。さらに、研究成果の報告と、次年度の学会発表の準備を行う。 連携研究者および研究協力者とは定例会を設け、意見交換を行うとともに役割りを調整して研究を進める予定である。
|
Research Products
(2 results)