2017 Fiscal Year Annual Research Report
Measurement scale development for dysphoria associated with cardiac tamponade
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26670956
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池松 裕子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (50296183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上坂 真弓 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (40734108)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自覚症状 / 苦痛 / 苦悩 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究当初は米国のみでデータ収集する予定であったが、共同研究者との数回に亘る検討の結果、日米双方でデータ収集をすることと、患者のみならず家族にもインタビューすることとなり、研究計画を大幅に修正し、国内のデータ収集施設を確保するとともに、国内の倫理委員会に申請した。 国内のデータ収集施設においては、最終年度に2例の当該患者がおり、1名にインタビューをすることができた。残りの1名は、研究説明の際に意義をご理解いただけず、インタビューには至らなかった。 インタビューした患者は、心臓手術後に体調不良を訴えるも胸痛や呼吸困難などの明確な症候ではないため、医療者も対応に苦慮しているうちに、心肺停止となり蘇生が成功した患者であった。 体調不良時に感じていた感覚や苦痛について問うと、「横になるとつらい」「ぐるぐる回る感覚」「呼吸が荒くなる」「胸がつかえる」「寝苦しい」などのことばが聞かれた。患者は自分でもどこがどう悪いのかわからず、神経性のものなのか、自分の意識がおかしいのか、等も考えていたとのことであった。なお、心肺停止直前には、患者は自力ナースステーションを訪れているがその記憶はないとのことであった。そして、これら一連の語りの中で、一番辛かったのは、自分の症状をどう言えば医療者にわかってもらえるかわからなかったことだとのことであった。 心タンポナーデに伴う不穏気分の本態がこの一例のみで明らかになったとは言えないが、患者が自分の苦痛を医療者にわかってもらえないことに強く苦悩していることは、我々医療者が理解しておかなくてはいけないことである。本症例から得られた知見は、本研究のテーマに沿ったもの以外の部分も貴重であり、論文として報告していきたいと考える。
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