2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Healing Intervention Program Using the M Technique for ICU Patients
Project/Area Number |
26670967
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Research Institution | Kyoto College of Nursing |
Principal Investigator |
田口 豊恵 京都看護大学, 看護学部, 教授 (20390164)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Mテクニック / 手術当夜 / 消化器外科手術 / ICU / 看護師 / 臨床応用 |
Outline of Annual Research Achievements |
Mテクニックによるマッサージは、Jane Buckle博士自身のICUの勤務を通して開発されたものである。研究代表者は、平成25年6月にJane Buckle博士から講義と演習を受ける機会を得た。Mテクニックとは、アロマセラピーとは異なり、無臭のキャリアオイルを用い、同じ圧、同じスピードで行う穏やかなタッチによって、皮膚から脳へと働きかける特許済みのマッサージ手法である。適応は、ICUに入室しているような重症患者やがんの末期患者など、身体的に衰弱が著明な対象である。また、マッサージを施す側と施される側の双方のストレスを軽減することも報告されている。以上のことより、我国のICUでも実践できる可能性を確信したので研究として取り組み、その効果を検証した。研究目的は、ICU入室中の患者に対するMテクニックを用いた介入プログラムを作成することである。 本研究は、①ICUで勤務する看護師への検証、②健常成人に対する脳波を用いた検証、 ③術後ICUに入室する患者に対する研究代表者の介入による検証、④術後ICUに入室する患者に対する研受持ち看護師の介入による検証、④ICU看護師へのMテクニック導入に関するアンケート調査という段階を踏まえてすすめていった。 Mテクニックの効果に対する基礎的データとして、健康成人ボランティア12名、ICUで勤務する看護師42名、次に、ICUに入室予定である消化器および血管系の手術を受ける患者を介入群(20名)と非介入群(20名)に振り分けて検証を行った。マッサージにより、癒され感や満足感といった快の感情が高くなり、気分評価(VAS)では介入群で良い傾向を示したが、自律神経系の変動や睡眠感には有意な差がなかった。ICU看護師21名のアンケート調査からは、長期入室患者や不安の強い患者への実施、せん妄予防としても取り組みたいとの回答が得られ、臨床応用に向けての啓発とともに継続研究の必要性が示唆された。
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