2015 Fiscal Year Research-status Report
助産師基礎教育におけるハイリスク妊産婦ケアの教育方法の開発と妥当性の検証
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26670976
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松井 弘美 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (70515725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 京子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60363868)
齊藤 佳余子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (60401808)
二川 香里 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (70377258)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハイリスク妊産婦ケア / 助産師基礎教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
助産師基礎教育に必要なハイリスク妊産婦の教育内容を明らかにすることを目的に、平成27年度は、分娩期のハイリスク妊産婦に関する医療事故の分析を行った。ハイリスク妊産婦は、ハイリスク妊娠スクリーニングに基づき、分娩前・分娩中因子が10点以上となる疾患を有した者とした。2010年1月から2015年1月までの産科医療補償制度の脳性麻痺の認定事例のうち、ハイリスク妊産婦事例186件の原因分析報告書を対象とした。分析は、医療現場における事例分析モデルであるP-mSHELLモデルをフレームワークとし、Patient、Management、Software、Hardware、Environment、Liveware(本人、周りの人)の 各要素を分析した。Livewareは、河野が医療向けに開発した分析手法「Systematic Approach For Error Reduction(SAFER)」を参考に、原因分析報告書の記載の中で、分析対象者である助産師の言動に関する部分を状況がわかるように抽出し、状況から助産師の言動の背後要因として、必要であった能力(技能・知識)は何であったのかを分析、検討した。 その結果、疾患は常位胎盤早期剥離が117件であり、その半数以上は、助産師が電話対応する夜間に発症していた。ガイドラインからの逸脱事例では、分娩監視の方法、胎児心拍数陣痛図の判読と対応が多かった。助産師の能力としては、【母体の身体的適応の逸脱のアセスメントと対応】【胎児機能の評価と対応】など5つのカテゴリーが抽出された。以上より、助産師基礎教育においては、〈常位胎盤早期剥離のリスク因子と症状の理解に基づくアセスメント〉〈胎児心拍数の確実なモニタリング〉〈胎児心拍数陣痛図の評価と対応〉が重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成27年度に助産実践能力レベルⅠの助産師のハイリスク妊産婦ケア経験からの学習について、計画書を作成した。当該研究は、臨床研究ではないことより、従来の大学の臨床・疫学研究等に関する倫理審査委員会の審査を受けることができず、新しく設立された人間を対象とし医療を目的としない研究倫理審査委員会に申請することとなった。本システムの電子申請が開始が平成28年度5月に開始となったことより、現在倫理審査の申請中である。
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Strategy for Future Research Activity |
助産実践能力レベルⅠの助産師のハイリスク妊産婦ケア経験からの学習については、倫理委員会の承認が得られた後、実施する。その結果をまとめ論文作成する。 平成26年度、27年度の助産師に必要な基礎教育の検討および助産実践能力レベルⅠの助産師のハイリスク妊産婦ケア経験からの学習の結果に基づき、教育内容を作成する。
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Causes of Carryover |
助産実践能力レベルⅠ助産師のハイリスク妊産婦ケア経験からの学習については、新しく設立された倫理委員会の申請開始を待って申請したので、謝金については平成28年に使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
助産実践能力レベルⅠ助産師のハイリスク妊産婦ケア経験からの学習については、対象を20名としている。研究費より専門職者への謝金を支出する。 また、研究成果の発表として学会参加のための国内旅費に研究費を要する。
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