2016 Fiscal Year Research-status Report
都市型診療所における看護師のコンピテンシーとその構造化
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26671039
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
大塚 眞理子 宮城大学, 看護学部, 教授 (90168998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 玲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (20644470)
丸山 優 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (30381429)
畔上 光代 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (40644472)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プライマリ・ケア / 診療所看護師 / 都市型診療所 / 地域医療 / 地域看護 / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、都市型診療所の看護師のコンピテンシーとその構造を明らかにすることである。前年度に研究倫理審査で承認を得た計画書に基づきコンピテンシ―リストの適切性を調査した。予備調査は、家庭医療学センターを標榜している診療所の医師に依頼し看護師を紹介してもらい、サーベイモンキーによる調査を実施した。都市部の診療所で働く看護師が持つべき実践力を86項目の適切性について同意する程度を9段階で回答を得た。6項目の適切性に同意する程度の中央値7以下の項目が8項目あった。この結果について検討し、診療所看護に精通する看護研究者に意見を求めた。そして、コンピテンシーリストを7大項目66項目に整理し本調査を実施した。家庭医療センターの診療所看護師23名、外来看護経験者2名及び家庭医8名(計33名)を対象に、インターネット上でDelphi法による意見収束を9段階のLikert尺度で行った。分析方法は、各項目の中央値を算出し、1~3及び7~9が1/3以上になる項目を不一致と判断した。第1回の調査は診療所看護師17名、外来看護経験者2名、家庭医7名(計26名)から回答を得た(回収率78.8%)。66項目の適切性の中央値は全て7以上であり、不一致はなかった。したがって第2回の調査は実施しなかった。都市型診療所の看護師のコンピテンシーは、「診療所を利用する人の個別ケアができる」(19項目)、「診療所を利用する人の個別ケアをしながら診療のマネジメントができる」(17項目)、「診療所を利用する人の家族支援ができる」(3項目)、「診療所内の看護師同士及び医師や他職種と連携協働して診療・ケアができる」(8項目)、「診療所のマネジメントができる」(12項目)、「他機関と連携協働して診療・ケアができる」(3項目)、「地域医療・地域ケアができる」(4項目)の7大項目66項目となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に研究計画書及び倫理審査申請書を作成し、前職場の研究倫理審査委員会に申請し、承認をうけた。しかし、今年度に研究代表者の移動が予定されていたので、年度をまたぐ調査を実施せず、今年度になってから調査を実施した。このこと自体は計画通りであった。 しかし、研究代表者の移動に伴い、分担研究者や連携研究者と結果について検討する機会を十分持つことができなかった。研究目的は、都市型診療所における看護師のコンピテンシーと構造化である。コンピテンシーリストについては調査によって明らかにすることができたが、コンピテンシ―の構造化について十分考察できず、結論を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
7大項目66項目の都市型診療所の看護師のコンピテンシーを構造化する方向性として、都市型診療所の特性をタイプ分類してそれに対応させた構造化案、66項目のコンピテンシーの難易度のレベルによる構造化案、プライマリ・ケアの理念に対応させた構造化案などを検討中である。研究メンバーによる議論を重ね、文献による検討も加えて、結論を導き出す予定である。なお、研究期間の1年延長により、報告書を作成し、研究協力者や関係機関に報告する予定である。また、学会発表や論文投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度に研究結果を得ることができず、学会発表や論文投稿などを行わなかったので、学会発表等の旅費を使用しなかった。また、結果の分析及び考察が十分できておらず報告書の作成ができず、報告書の印刷費や報告書の郵送費を使わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間の延期に伴い、平成29年度に学会発表をするための旅費、論文投稿をするための英文抄録のネイティブチェック料、報告書の印刷費、報告書の郵送費等を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)