2015 Fiscal Year Research-status Report
新任および中堅保健師の実践能力の発展を支援する方法の開発
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26671041
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
北山 三津子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (70161502)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保健師実践能力 / 新任保健師 / 指導保健師 / 面接調査 / 実践能力向上のための取組 / 実践能力向上のために得た支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度にA県内の自治体に採用された保健師(以下新任保健師)28名のうち、本人および指導保健師の同意が得られた23名について、筆者らが開発した新任保健師実践能力到達目標チェックシート(4か月時チェックシート)を用いて採用後5~6か月時および11~12か月時の到達状況を分析した。 その結果、5~6か月時では、到達者が6割未満だったのは35項目中17項目と約半数あり、所属組織と活動の成り立ちの理解、施策化、地域のヘルスケア体制整備、健康危機管理、保健福祉事業の展開、住民との協働、実践の中で研鑚する能力であり、到達者が6割以上だったのは、個人・家族への援助、他機関・他職種との連携・協働、所属機関内での連携・協働、倫理に適った看護実践であった。新任者は、個別援助を中心として、所属機関内の連携活動から活動や視野を拡大していることが推測された。11~12か月時では、到達者が6割未満だったのは35項目中1項目(健康危機管理)のみとなり、4か月時点の実践能力到達目標はほぼ到達していた。 次に、5~6か月時では到達していなかったが、11~12か月時には到達した項目について、到達を目指して取組んだことは、所属組織と活動の成り立ちの理解や施策化では、担当事業に関連して先輩保健師の指導を受けて予算を組んだり事業計画を作成する等の経験、地域のヘルスケア体制整備や個人・家族への援助では、県主催の新任保健師研修の事前課題(地域の健康問題の分析、個別援助の実践と振り返り等)への取組み、住民との協働や他機関・他職種との連携・協働では、関係機関や住民との集まりに出向いて話を聞いたり、個別援助の連携先への働きかけ等の積極的な行動、援助に必要な知識の自己学習等であった。得た支援として認識されていたことは、経験する機会を創ってもらった、時に応じて具体的な助言を受けた、公費で研修に参加させてもらった等であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、ほぼ計画どおり進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の4~8月は、昨年度末に実践能力到達目標チェックシート(11か月時チェックシート)を用いて調査した新任保健師1年11か月~2年時点での到達度の分析、到達を目指した取り組みおよび得た支援を分析する。 9~10月は、6年目保健師のうち同意が得られた6名を対象として、5年目保健師(5年5か月~5年6か月時)実践能力到達目標チェックシートの1年後の到達度変化の分析、到達を目指した取り組みおよび得た支援を面接調査により情報収集し、その結果を分析する。 12月には、調査結果を指導保健師と共有し、新任保健師および5年目保健師の支援について検討する。 以上の結果から、新任保健師および中堅保健師の実践能力の発展過程を明らかにして、発展を促進する支援の方法を考察する。
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Causes of Carryover |
新任保健師調査インタビュー(26名)は、平成28年3月に実施したため、テープ起こしのための謝金支出が平成28年度となったため、予算額に比べて支出額が少なくなった。 新任保健師調査は、比較的大学から近い場所であったことと同一施設に複数人の対象者がおり、まとめて調査することができたこと、また、新任・中堅保健師の指導者に対する研究協力および所属長に対する研究承諾の説明が1回の現地訪問でできたため、予算額に比べて支出額が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新任保健師調査インタビュー(26名)のテープ起こしの謝金(約35万円)、中堅保健師調査インタビュー(6名)の旅費(約5万円)およびテープ起こしの謝金(約15万円)、指導保健師(32名)との検討会開催のための郵送費、事務補助者の賃金等(約5万円)、研究成果の関連学会での発表のための旅費(約20万円)、研究成果報告書の印刷(約20万円)
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