2017 Fiscal Year Annual Research Report
Immunological assessment of participatory intervention for workplace improvements among university hospital nurses
Project/Area Number |
26671048
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中田 光紀 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (80333384)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護師 / 職場環境改善 / 介入研究 / 生理指標 / 免疫指標 / サイトカイン / 自律神経 / 参加型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、本学病院看護師の過重労働の低減を目指した参加型介入研究である。研究の主要な目的は1.過重労働を低減させる介入プログラムの開発と検証、2.過重労働・職業性ストレスを鋭敏に検出する免疫指標の探索、自律神経バランスの測定である。本学病院(150床)の看護師(n=36)を対象とし、研究の同意を得られた者に対して職業性ストレス簡易調査票、採血によるサイトカイン測定、自律神経バランス測定、歩数測定を行った。協力病院の看護部の協力を得て、看護師全員に無記名でどのように職場環境改善を行いたいかのアンケート調査を行い(調査時期2017年8月~2018年2月)、その後に各部署の看護師(計12名)が参加する2回のフォーカスグループインタビューを行った。その後、実施可能な項目を決定し、看護師全員による総投票を行った。最終的な方策は、①定時で帰る、②感謝の気持ちを伝える、③先取り看護を行う、となった。この3つの介入を約2ヶ月間、部署毎に全員で取り組んだ。自律神経バランスの評価は、Silmeeという小型のウェアラブル生体センサを用いた。サイトカイン(IFN-γ、IL-6、TNF-α、IL-12/23、IL-15、IL-27)およびC反応性タンパク分析は外部へ依頼した。職業性ストレス13指標は介入前、介入直後、介入3か月後で有意差を認めなかった。同じく、自律神経バランスの指標であるS/P ratio等ならびに1日の歩数に有意差を認めなかった。しかし、炎症マーカーである3つのサイトカインTNF-α、IL-12/23、IL-15は介入前よりも介入後で有意な低下が認められた。これらの指標の低下が介入の直接的効果によるものかあるいはその他の理由によるものかは、さらに洗練された研究デザインによって確認する必要があるが、職場環境改善の介入による遅延効果が発揮された可能性が考えられた。
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