2015 Fiscal Year Annual Research Report
銀河系内-系外宇宙線のエネルギー境界の確定と宇宙線起源論
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26707011
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
常定 芳基 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50401526)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 宇宙線 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙線起源解明を目指し、宇宙線が大気中で生成する空気シャワー、そしてそこから発せられる微弱な光である「チェレンコフ光」を検出する装置開発を進めた。装置は光センサである光電子増倍管と、そこからの信号を高速 (200MHz) でデジタル化し記録する「波形記録装置」から成る。光電子増倍管は浜松ホトニクス社製のものを使用し、平成26年度予算にて調達し、その単体試験は平成27年度に行った。波形記録装置は外部メーカ(株式会社ブレインズ)に製作を依頼し、平成26年度中に納品されたが、予期していなかった不具合により要求仕様を満たしていないことが判明し(平成二七年月)、メーカに問題調査・再試験と製品の再実装を依頼することとなった。そのために平成27年度中に完了させるはずであった検出器開発と、現地(米国ユタ州)への設置およびデータ収集開始が不可能となり、平成27年度の研究費を繰越すこととなった。
平成27年度末に波形記録装置が納品され、大阪市大での試験を平成28年度に開始し、米国ユタ州へ太陽電池パネルなどとともに装置一式を輸送した。大阪市大にて行った試験は検出器のインパルス応答、光電子増倍管ゲインの高電圧依存性、および光電子増倍管の絶対感度(入射光子数と出力信号の大きさの関係)測定である。また米国ユタ大学と共同で、装置一式を収め、光電子増倍管のための自動開閉式窓を備えた検出器収納箱を開発、製作した。米国ユタ州の別業者に依頼し、太陽電池パネルと検出器のためのスタンドも製作した。検出器の屋外での正常な動作をユタ大学において確認したのち、ユタ州の観測サイトへ設置した。検出器による試験観測は3月に行い、宇宙線に付随したチェレンコフ光が取得できていることを確認した。現在はデータ解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外部メーカに委託した製品の完成が遅れたため、計画全体としては一年の遅れが生じた。なお繰越発生後にあらためて立てた研究計画にはおおむね沿って進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
検出器開発、米国ユタ州への輸送と観測サイトの設置が終わり、チェレンコフ光検出器は稼働が始まった。今後は観測とデータ収集、データの解析を進める。データ収集には、ユタ大学の共同研究者が関わって進めている。夏から秋にかけて再度ユタ州へ出張し、稼働開始後の検出器の状況確認と劣化状況について調査し、必要であればメンテナンス作業を行う。既に取得したデータの解析を進めており、平成29年7月に開催される宇宙線国際会議(韓国・釜山)にて報告が予定されている(確定)。
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Causes of Carryover |
当初計画予定より遅れが生じ、米国ユタ州への出張旅費としようとしていた分が使用不可となった。これにともない、米国ユタ大学へ依頼していた検出器収納箱の製作も遅れが生じ、その分の執行ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度中の米国出張旅費、検出器収納箱のユタ大学との共同製作(作業はユタ大学にて)に使用する。
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Research Products
(2 results)