2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26713005
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
齊藤 達哉 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 教授 (60456936)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 抗炎症薬 / 自然免疫 / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
過栄養摂取に起因する生活習慣病や大気汚染に起因する呼吸器疾患は現代社会の深刻な健康問題となっており、その発症機序解明と創薬標的同定は薬学分野の重要な研究課題である。マクロファージなどの自然免疫担当細胞は、過栄養摂取により生じる代謝物やシリカナノ粒子などの環境汚染物質に応じて炎症性因子の産生を誘導し、生活習慣病や呼吸器疾患の発症要因となる。自然免疫関連受容体であるNLRP3は、これらの刺激物によるファゴソームの損傷に応じて情報伝達因子ASCおよびプロテアーゼCaspase-1と共にNLRP3インフラマソームを形成し、サイトカインIL-1betaやIL-18の産生を介して炎症を惹起する。尿酸塩結晶やシリカナノ粒子などの刺激物によるNLRP3インフラマソームの過度の活性化は痛風や塵肺などの炎症性疾患の発症要因となるため、NLRP3インフラマソーム活性化を抑制する化合物の同定に取り組んだ。解析の結果、痛風の治療に用いられているNSAIDsであるジクロフェナクが、NLRP3インフラマソームの活性化を抑制することを見出した。また、NLRP3インフラマソームの活性化を強力に抑制する化合物を同定し、その作用段階がファゴソームの損傷に応じて誘導されるミトコンドリアの損傷であることを明らかにした。さらに、シリカナノ粒子などの刺激に応じてNLRP3インフラマソーム非依存的に誘導される因子が、IL-1alpha以外にも多数存在することを明らかにした。同定した炎症制御因子候補については、その産生におけるカルシウムイオン濃度上昇の重要性やポタシウムイオン放出の重要性などを検討し、既知の炎症誘導機構と相違を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NLRP3インフラマソームの活性化を抑制する化合物を、NSAIDsをはじめとして複数同定した。その一部については、作用段階を同定することに成功した。また、NLRP3インフラマソームを介さずに放出される炎症制御因子について、炎症を誘導することで知られている仲介因子への依存性を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
NLRP3インフラマソームに依存しない炎症制御因子の放出機構、特にIL-1alphaの放出機構などについて、その分子機序を解明する。また、NLRP3インフラマソームを抑制する化合物をNSAIDs以外にも同定しているので、その作用機序を解明する。さらに、新規の炎症制御因子をプロテオミクス解析などにより同定した後に、当該因子をCas9/CRISPRのシステムを用いてノックアウトし、次年度以降に病態生理的な意義の解明を進めるための準備を進める。
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[Journal Article] Autophagy Genes Enhance Murine Gammaherpesvirus 68 Reactivation from Latency by Preventing Virus-Induced Systemic Inflammation.2016
Author(s)
Park S, Buck MD, Desai C, Zhang X, Loginicheva E, Martinez J, Freeman ML, Saitoh T, Akira S, Guan JL, He YW, Blackman MA, Handley SA, Levine B, Green DR, Reese TA, Artyomov MN, Virgin HW
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Journal Title
Cell Host Microbe
Volume: 19
Pages: 91-101
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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