2016 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の家族を対象とした包括的エンパワメントプログラムの開発と評価
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26713057
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
涌水 理恵 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70510121)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達障害 / 家族 / エンパワメント / プログラム / 地域 / サービス / コミュニティ / リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の家族は大きな変容の時代を迎え、少子高齢化だけでなく、未婚率・離婚率の増加など、家族の構造的・機能的脆弱性が増す中で、障害児、特に、発達障害児を養育する家族の「子育て」に対する困難感や負担感は相対的に高まっており、“家族の内発的な力”、すなわち家族エンパワメントは低くなりつつある。親が心身症に陥るケースや子ども虐待に至るケースも少なくない。 本研究では、発達障害児を養育する家族の負担感や困難感を軽減させ、家族エンパワメントを促進することを目的とし、フォーマティブ・リサーチを基に、当該家族を「家族(内)」「サービスシステム」「コミュニティ」の3側面からエンパワメントする包括的な家族支援プログラムの開発とその評価を4年計画で行うものである。 平成28年度までに親への子育てプログラムをフィールドワークとして実施しつつ、家族(発達障害児の母親・父親・きょうだい)へのインタビュー調査をおこない、「家族(内)」「サービスシステム」「コミュニティ」の3側面から家族をエンパワメントするための各エッセンスを抽出した。また平成28年度は、対象家族数を拡大し、プログラムに期待・要望する具体的なコンテンツや開催周期・時間帯についての調査を行ってきた。 ここまでプログラムの開発(各家族員にどんな支援が必要かの検討も含む)に関するフォーマティブ・リサーチに、やや多くの時間を費やしてきているが、最終年度となる4年目には開発したプログラムの提示・試験的な施行・評価をおこなっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ここまで親への子育てプログラムをフィールドワークとして実施しつつ、包括的な家族エンパワメントプログラムの開発(各家族員にどんな支援が必要かの検討も含む)に関するフォーマティブ・リサーチに、計画よりやや多くの時間を費やしてきているため、「やや遅れている」と評価した。時間がオーバーした理由としては自身の第3子出産(平成28年5月16日出産)が主な理由で、産前産後休暇の取得等挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる4年目には、フォーマティブリサーチで検討・開発した家族エンパワメントプログラムの提示とそのトライアル、そして評価をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
当初の計画より研究の進捗状況が遅れているため、繰越額が発生している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、開発中のプログラムの公開・周知およびプログラムの施行・評価により、使用する予定である。
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