2014 Fiscal Year Research-status Report
全球-領域ハイブリッド型物質輸送モデルを用いたPM2.5シミュレーション高精度化
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26740010
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
五藤 大輔 独立行政法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 研究員 (80585068)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エアロゾル輸送モデル / PM2.5 / 大気汚染 / 東アジア / NICAM / ストレッチ格子法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究課題で使用するエアロゾル輸送モデルNICAM-SPRINTARSの基本場再現性の検証を中心に行った。計算コストを抑制して高解像実験を行うためのツールであるストレッチ格子法の適用可能性を調べるために、2007年8月の関東地方を対象に、解像度約10kmで数値計算した。その結果、関東地方の中心部では、風や気温などの基本気象場の再現性は良好であったが、関東平野の山間部に近い前橋付近では、主にモデル解像度が不十分であるために、気象場再現性が比較的良くなかった。次に、エアロゾル場の再現性を調べるために、一次生成粒子の代表的な物質としてブラックカーボン、二次生成粒子の代表的な物質として硫酸塩に注目した。また、ストレッチ格子法の再現性を評価するために、準一様格子法を用いたNICAM-SPRINTARSを用いて、2007年8月の東アジアスケールにおいて両者の比較を行った。但し、計算機資源の制約により、準一様格子法を用いた実験は低解像度実験(220km格子)である。その結果、どちらの解像度のモデル結果も東アジアスケールでの月平均値の再現性は良好であったが、高解像度であるストレッチ格子法だけが総観規模の擾乱に伴う濃度変化を再現することができた。このことから、ストレッチ格子法は高解像度実験に十分適用でき、総観規模の変動を再現するためには高解像度モデルが必要であることが示された。逆に、月平均値の再現性向上を目指す場合には低解像度実験でも問題ないことも同時に示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度目標としていた、ストレッチ格子法を用いたNICAMによるPM2.5シミュレーションを行うことができた。さらに、収集した観測結果との比較を通じて、NICAMのモデル問題点を把握することができた。同時に、準一様格子法を用いたNICAMによるシミュレーションとの比較も行うことができ、モデル分解能の違いによる影響評価も行うこともできた。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのモデル検証をさらに進めるために、他のモデルとの比較を通じて、NICAMのモデル特性を把握する。同時に、異なるモデルの特性も把握し、より良いPM2.5シミュレーションのための理解を深める。領域対象モデルであるCMAQとの比較や、全球対象モデルであるMIROC-SPRINTARSとの比較を通じて、モデル間の差異及び共通の問題点を探る。
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Causes of Carryover |
当初購入予定であったデータストレージの規格が変更され、データ容量を変更した結果、差額が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
差額分は、データストレージの追加購入分および周辺機器購入に当てる。
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[Journal Article] Application of a global nonhydrostatic model with a stretched-grid system to regional aerosol simulations around Japan2015
Author(s)
Goto D., Dai T., Satoh M., Tomita H., Uchida J., Misawa S., Inoue T., Tsuruta H., Ueda K., Ng C.F.S., Takami A., Sugimoto N., Shimizu A., Ohara T., Nakajima T.
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Journal Title
Geoscientific Model Development
Volume: 8
Pages: 235-259
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] アジア域における硫酸塩エアロゾル分布に対するホストモデルの不確実性評価2014
Author(s)
五藤大輔, 中島映至, Dai T., 竹村俊彦, 梶野瑞王, 松井仁志, 原由香里, 高見昭憲, 畠山史郎, 杉本伸夫, 清水厚, 大原利眞
Organizer
日本気象学会2014年度秋季大会
Place of Presentation
福岡国際会議場(福岡県博多区)
Year and Date
2014-10-22 – 2014-10-22
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[Presentation] Simulation of atmospheric aerosols and ozone around Tokyo using a global nonhydrostatic model with a stretched-grid system2014
Author(s)
Goto D., Nakajima T., Dai T., Yashiro H., Sudo K., Murata R., Misawa S., Uchida J., Inoue T., Tsuruta H., Satoh M., Tomita H., Ohara T., MEXT/RECCA/SALSA Project Team
Organizer
Asia Oceania Geosciences Society (AOGS) 11th Annual Meeting 2014
Place of Presentation
ロイトンロイトン札幌ホテル(北海道札幌市)
Year and Date
2014-08-01 – 2014-08-01
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