2015 Fiscal Year Research-status Report
国際環境認証制度(水産物)による資源管理ガバナンスの変容に関する研究
Project/Area Number |
26740060
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
大元 鈴子 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (70715036)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水産物認証 / 国際代替市場 / ベトナム / エビ養殖 / ASC認証 / 国際資源管理認証 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の2度のベトナム現地調査の情報をもとに、本研究の途中経過としての成果物として、英文査読論文1本、編著書本を一冊出版することができた。著書「国際資源管理認証-エコラベルがつなぐグローバルとローカル」は、日本語で書かれた本としては、初めて多様な自然資源の利用に対する認証制度を一同にとりあげた本であり、その中では、本研究の核心となる、国際環境認証制度による資源管理ガバナンスの基本機能、世界での活用事例、また国内における活用事例等、幅広い視点から国際資源管理認証を議論することができた。また、ASC認証の比較対象として扱うその他の国際資源管理認証である、FSC(Forest Stewardship Council),MSC(Marine Stewardship Council),またあたらにヤシ油認証であるPSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)を研究する研究者、また企業の方々とも議論を進めることができた。 ASC認証に関しては、日本国内での取得に向けた動きが活発になっており、これについても関係者への聞き取り等を進めている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度の現地調査(オランダ1回、ベトナム2回)において、計画以上の情報の収集が行えたため、最終年度に計画していた成果物の一部を27年度に発表することができた。また、26年度から物品購入のために持ち越した研究費についても、計画通り使用することができた。 また、当初予定していなかった国内でのASC認証の事例が発生し、これについて環境NGO,漁業者との密なコミュニケーションにより、大変有用な情報を収集することができている。 昨年度に、今後の研究推進方策としてあげた「国際認証制度認証利用者(生産者)の側から分析する手法」についても、編著本の章内にて記述することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である、28年度には、年度前半にベトナム調査を予定している。これは、昨年度に成果物の一部を出版したことにより、現地調査の費用を持ち越したためである。また、研究成果の発表の場として、World Congress of Rural Sociologyで発表を行う予定である。 総括として、2本程度英文学術雑誌への投稿を予定しており、年度後半は、その執筆に充てる。1本は、国際資源管理認証とそのほかの認証との比較を利用者(生産者)の視点、特にベトナムにおけるエビ養殖農家の視点、から行う。もう一本は、日本におけるASC認証取得事例について、震災復興と資源管理をどのようにして、国際資源管理認証がつなぎ、また漁業者がそれを活用しているかを報告する予定である。 また、国際資源管理認証制度に関するワークショップを実務関係者と行う予定である。参加者の参加しやすさを鑑みて、東京もしくは総合地球環境学研究所にて実施する。
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Causes of Carryover |
26年度の現地調査で収集した情報が、予想外に充実していたため、成果物の一部の発表を27年度に行った。そのため、27年度に予定していた海外調査を28年度に延期した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度前半に、ベトナムへの渡航を計画している。また、8月には、国際学会であるWorld Congress of Rural SAociology(カナダ)にて、口頭発表を計画しており、要旨はすでに採択されている。
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Remarks |
ベトナムの共同研究機関の正式名称は、University of Social Sciences and Humanitiesです。スペース制限のため記入できませんでした。
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Research Products
(4 results)