2014 Fiscal Year Research-status Report
抗腫瘍薬による自然免疫能の変動と栄養輸送担体との発現調節の関連性
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26750053
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Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
高橋 夏子 北海道薬科大学, 薬学部, 講師 (60535293)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抗がん剤 / サプリメント |
Outline of Annual Research Achievements |
がん患者におけるサプリメントと経口抗がん剤によるリスク回避を目的とし、ヒト小腸株化細胞を用いて、経口抗がん剤処理後の免疫ペプチドの発現変動と栄養輸送トランスポーターとの関連について評価を行った。 これまでの研究により、一部の経口抗がん剤を曝露することによって、腸管免疫の低下が引き起こされることを明らかにしている。平成26年度の研究においては、経口抗がん剤曝露が栄養輸送トランスポーターの発現に与える影響について評価を行った。栄養素および薬物双方の吸収に関与する有機アニオン (OATP)およびモノカルボン酸トランスポーター(MCT)に着目し、経口抗がん剤曝露によりOATPおよびMCTのmRNA発現が変動することを見出した。さらに、免疫ペプチドとトランスポーターの関連を確認するため、ヒト小腸株化細胞の免疫ペプチドをsiRNAによりノックダウンし、トランスポーター発現への影響を評価した。腸管免疫物質をノックダウンすることにより、OATPおよびMCTのmRNA発現に影響を及ぼすことが明らかにした。このことから、免疫ペプチドが腸管トランスポーターを制御する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度については、使用する抗がん剤の種類を一部変更したが、計画書に記載の通り、順調に計画は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、がん患者が使用するサプリメントおよび抗がん剤併用時の腸管免疫への影響について、平成26年度に行った測定方法を用いて評価する。免疫ペプチドおよび各輸送担体のmRNA量および蛋白質発現量を測定することで、腸管免疫に与える影響を総合的に評価し、科学的根拠の蓄積を目指す。
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Research Products
(1 results)