2016 Fiscal Year Annual Research Report
The investigation of the touching object at the natural history museum using dinosaur specimens as the tool that provides similar researching experience of dinosaur scientist.
Project/Area Number |
26750105
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
大橋 智之 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (20584519)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハンズオン展示 / 視覚障害 / 恐竜 / 実物 / 模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、H26年度の情報収集及びH27年度の他館視察の成果をもとにワークショップを実施した。ワークショップは本研究の目的である「研究の追体験をハンズオン展示物を通して理解すること」の検証を目的として、視覚障害者と視覚障害の無い者を対象にそれぞれ実施した。ワークショップでは研究目的を検証できるよう2つのテーマ(触感による「形態の認識」と「一部と全体の推定」)を設定し、それらに合わせたハンズオン展示物と内容を準備し、被験者の特性(視覚障害の程度や年齢)に基づく理解の差異の確認と、そこから得られる展示手法確立のためのハンズオン展示物の在り方の着地点について検討した。 ワークショップの2つのテーマに基づいて、視覚情報を無くして触ることだけによる物(本研究の場合では化石や骨)の形の認識・形態情報の抽出を検討できるハンズオン展示物と、より研究の追体験を体感できるよう限られた情報から物の部位や形を特定することが検討できるハンズオン展示物で、小学生から中学生の児童・生徒を対象にワークショップを実施した。視覚障害の児童・生徒にも参加してもらい、その特性の程度及び年齢による認識の差を検討できるようにした。 それぞれのワークショップの結果、準備したハンズオン展示物及びその手法が、それぞれの特性の被験者へのツールとして有用であり、特に視覚障害者に必要な情報と博物館側が提供すべき情報を整理することができ、それが研究の追体験を可能とするハンズオン展示物の在り方を検討する際に重要なことを確かめられた。 日本古生物学会第166回例会(於:早稲田大学)でワークショップ結果を踏まえた成果についてポスター発表を行った。
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