2015 Fiscal Year Research-status Report
低酸素環境下での間欠的な機械的圧迫は動脈硬化を予防、改善するか
Project/Area Number |
26750345
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西脇 雅人 大阪工業大学, 工学部, 講師 (10635345)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 機械的圧迫 / 低酸素 / 動脈スティフネス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に検討した至適な機械的圧迫のプロトコールとpilot studyの手法や結果を参考にしつつ、当初の研究計画に従っておおむね順調に低酸素環境下での機械的圧迫の急性効果を確認する実験を進め、一定の知見を積み重ねることができた。 本年度は、約10名の非喫煙男性をリクルートし、1日1回無作為の順序で、4つの条件(常酸素安静条件、低酸素安静条件、常酸素機械的圧迫条件、低酸素機械的圧迫条件)を各参加者に対して実施した。各条件のガス吸入は40分行い、圧迫が含まれている条件では後半の20分に機械的圧迫を実施した。各条件の前後に、動脈壁の硬化度(動脈スティフネス)を心臓足首血管指数を用いて評価した。なお、現在は、結果の集計と解析を進めている段階である。 データ取得と途中の解析を行ったところであるが、追加実験を重ね補強するデータを取得した上で、慎重な検討を進めていきたいと考えている。しかしながら、今回の結果から、低酸素環境下で機械的圧迫を行うと、少なくとも、通常環境で機械的圧迫を行うのと同程度か、今後の解析によっては、それ以上の動脈スティフネスの低下を引き起こせることがが見出され、新たな運動様の方法として提案できるかもしれないことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、確定させたプロトコールを用いつつ、本年度は、低酸素環境下での機械的圧迫が動脈スティフネスを低下させるか、急性応答を検討する実験を完了させ、現在、データ解析を進めつつある。したがって、現在までの進捗状況としては非常に順調に進んでいる。しかしながら、得られた結果が仮説を支持するものか、あるいは、反証するものか、という点については、効果量が小さく、慎重な議論が必要であると考えている。そのため、来年度の当初には、追試実験を行い、判断材料を増やした後に、今後の展開を熟考していきたいと思われまる。
|
Strategy for Future Research Activity |
先述のように、おおむね順調に計画が進展しているものの、得られた結果の効果量が小さく、本当に仮説を支持するものであったか、慎重な議論が必要であると考え、超音波画像診断装置を用いて血流量を計測するような追加実験を計画している。この追加実験において、データのサポートが得られるとすれば、急性応答を確認する実験において仮説が証明されたと判断し、いよいよトレーニング実験(介入研究)に移行したいと考えている。仮に得られる追加実験のデータが仮説を反証するものであれば、なぜ反証するデータが得られるか、追加や補足の実験を重ね、低酸素環境下での動脈スティフネスの変化を検証していきたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
実験を順調に進める中で、検討すべき事項が1つ出てきたことから、翌年度の当初に追加実験を計画し、知見を積み重ねた上で研究を進めていかざるを得なくなった。そのため、追加実験を翌年度に実施することを想定し、繰り越しを行った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の当初、血流量を計測する追加実験を行う予定を立てており、この実験を行うための備品や消耗品をそろえ、実施するための費用に充てる計画をしている。
|