2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of intermittent mechanical compression in hypoxia on arterial stiffness
Project/Area Number |
26750345
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西脇 雅人 大阪工業大学, 工学部, 講師 (10635345)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低酸素環境 / 機械的圧迫 / 膝窩動脈血流量 / 超音波画像診断装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、一過性の片脚機械的圧迫によって、実際にどの程度の血流が実験脚と対照脚に流入するか、超音波画像診断装置を用いて評価し、一昨年度と昨年度の実験結果が得られた理由について、血流の動態から検討することを目的として研究を行った。 5名の非喫煙男性をリクルートし、1日1回、無作為の順で、2つの条件の実験を行った。1つは、通常大気を吸入する常酸素条件、もう1つは海抜2500mレベルの低酸素ガスを吸入する低酸素条件とした。それぞれ、40分の実験を行い、後半の20分間にガスの吸入に加え、片脚に機械的圧迫を行った。機械的圧迫の詳細なプロトコールについては、前年度までに確立した方法を採用した。実験開始前と10分ごとに、超音波画像診断装置を用い、実験脚と対照脚それぞれの膝窩動脈の血管径と血流速度波形積分値を記録し、解析した。 詳細な結果については、現在、解析中であり、結論づけることはできないが、常酸素と低酸素のいずれの環境であったとしても、機械的圧迫の最中には血流速度波形が観察されず、血流が遮断されていること、間欠的にカフが開放された際には瞬間的に2倍近い血流速度波形積分値が観察されることが明らかとなった。しかし、興味深いことに、常酸素と低酸素条件の間に顕著な差が認められず、機械的圧迫によって平均するとおおよそ同程度の血流量が流入することが推察された。 以上の知見から、仮に、いずれの環境間でも間欠的な機械的圧迫によって流入する血流量に顕著な差がないにもかかわらず、低酸素条件で大きな動脈スティフネスの低下が生じているとすれば、低酸素条件では、血管がより拡張しやすい状態にあることを示す実験結果であり、低酸素環境下での運動や模擬運動処置は動脈の健康を保つために有効な手段であることが示唆された。今後、より詳細な検討を行い、有意義な知見を確立していきたいと考えている。
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