2014 Fiscal Year Research-status Report
近衞秀麿研究―作品・資料目録データベース作成と資料の分析を通して
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26770043
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
三枝 まり 東京藝術大学, その他の研究科, 研究員 (10584211)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 近衞秀麿 / アーカイヴ / 近代日本音楽 / 西洋音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、わが国の西洋音楽の黎明期に指揮者、作曲家、編曲家として、日本の交響楽の普及・発展の基礎を確立した近衞秀麿の資料目録を作成し、近代日本音楽史における近衞秀麿の音楽活動の功績を明らかにすることである。当該年度の主な研究活動として、以下の6点が挙げられる。 1.所蔵資料の調査の結果、新たにこれまで知られていなかったスコアやパート譜を状態の良い形で発見することができた。段ボール数箱分に及ぶかなりまとまった資料である。2. 資料を一点ずつ保存袋や中性紙箱に入れて保護し、番号を付与した。これにより、資料の全体像の把握が可能となった。3. 研究上の重要性および緊急性の高い資料13点を外部業者に委託し修復した。火災に遭うなど資料の状態が悪かったため修復作業が増え、結果的に作業量の増大に伴い修復に要する費用がかさんでしまった。そのため、予定より少ない点数の修復となった。4. 目録データ項目を検討し入力を開始した。5. スキャンが可能な資料について、スキャンを行った。これは、資料の現状以上の劣化を防ぐために、内容の精査はデジタルデータを通して行うことを可能にするものである。現在、各資料をスキャンが完了したスキャンデータとリンクさせる作業が順調に進んでいる。6. 人名入力作業を開始し、人名索引を作成した。7. ドイツ語、ロシア語の翻訳を専門家に依頼し、書簡や新聞記事の内容等から、近衞秀麿の欧米での評価や欧米の音楽家達との交流の実態を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進展している。 中間報告として所蔵資料の一部を紹介した著書(共著)の刊行を行い、一般への研究成果公開を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
作業は予定通り進展しており、資料の整理とデジタル化、目録の入力をすすめる。
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Causes of Carryover |
資料が新たに見つかる状況が続いており修復費を残しておきたいこと、旅費について当該年度は他から支給されたこと、謝金が必要な作業についてデータベースを構築したところ、一次資料に直接することができる申請者自身が行ったほうがよい作業が、初期の段階で多かったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
目録入力のアルバイトは昨年度は一名であったが、入力項目・入力内容がほぼ確定したため、アルバイトの人員を増やしてマニュアルに則って入力をすすめる。
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Research Products
(2 results)