2014 Fiscal Year Research-status Report
留学生の日本語学習動機の長期的発達:ダイナミックシステムズアプローチの観点から
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26770182
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
小林 明子 島根県立大学, 総合政策学部, 准教授 (40548195)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本語学習動機 / 異文化接触 / キャリア形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学入学時から進路決定、就業時期を通して留学生の日本語学習に対する動機づけがどのように変化するのか、変化の過程と影響要因を明らかにすることである。これにより、大学入学直後から就職時期までの各教育段階において日本語教師に求められる学習支援の内容や教育環境の整備を検討する。平成26年度の本研究の成果は以下のとおりである。 (1) 文献研究: 第二言語教育学、心理学等における動機づけ研究を整理し、最新の研究における調査手法、研究成果等を概観した。特に第二言語教育の分野において近年注目を集めているダイナミック・システムズ・アプローチに基づいた動機づけ研究を中心としてまとめた。 (2) 予備的分析: これまで国内外の中国人日本語学習者を対象として質問紙・自由記述・インタビューによる横断的調査を実施してきた。これらのデータを再分析し、調査対象者の学年や留学期間など時間経過に伴う動機づけの変化と影響要因を把握することを試みた。 (3) 縦断調査: 中国人留学生を対象に、大学在籍時から就職後まで定期的にインタビューを実施し、日本語学習に対する動機づけの変化と影響要因を聞いた。現在はデータを文字化し結果の分析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的、研究実施計画にもとづいてほぼ予定通りに研究を進めることができている。縦断的な調査を実施するにあたって、調査対象者から調査協力の同意を得ることができ、継続的にデータを収集することができた。現在、インタビューデータの文字化および分析を進めており、次年度以降、結果をとりまとめて成果の公開を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策は以下のとおりである。 (1)動機づけの長期的な変化のプロセスを解明するため縦断調査を継続する。中国出身留学生に対して、定期的に半構造化インタビューを行い、日本語学習に対する動機づけや動機づけに影響を与える要因について聞く。 (2)1年目、2年目の研究成果を取りまとめ、研究発表、論文投稿を行う。
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