2016 Fiscal Year Research-status Report
国際安全保障法秩序の検討:集団安全保障体制の現代的意義
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26780025
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
山本 慎一 香川大学, 法学部, 准教授 (50583275)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際平和活動 / 平和安全法制 / 国際平和協力法 / 国際平和支援法 / 国連平和維持活動 / PKO / 集団安全保障 / 国際安全保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
集団安全保障体制の現代的な意義を考察し、国際安全保障法秩序を検討しようとする本科研において、本年度は国際的な平和活動の展開に着目し、コンゴ民主共和国や南スーダンにおける国連平和維持活動(PKO)の職務権限の拡大を中心とした近年の特徴について情報収集と分析を進め、整理をおこなった。 こうした国際平和活動の潮流を踏まえて、日本の平和安全法制、とりわけ改正された国際平和協力法と、新規に立法された国際平和支援法が、いかなる意義と課題を有するのかについて検討をおこなった。 本研究の成果については、「国際平和活動の潮流と国際平和協力活動の展望―平和安全法制の整備を踏まえて―」と題する研究報告を、国際法研究会(京都大学)および防衛法学会(拓殖大学)において発表し、質疑応答を通じて研究内容の深化を図った。 前年度の学会報告の内容と質疑応答の結果を踏まえて、平成29年度の公刊に向けて現在は論文を執筆中である。 また、本科研の研究遂行過程で得られた紛争研究の知見を活かし、国際安全保障学会(大阪大学)において分科会3「国内紛争への視座」の討論者として参画したほか、本科研のテーマと密接に関係する『国連安全保障理事会と憲章第7章―集団安全保障制度の創造的展開とその課題』(佐藤哲夫著、有斐閣、2015年)の書評を執筆した。同書評は、平成29年度刊行予定の日本国際連合学会編『国連研究 第18号』(国際書院、2017年)に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は平成28年度で本科研のテーマについては補助事業期間終了の予定であったが、補助事業期間の延長申請をおこなった。 その背景として、本科研の研究期間に日本において平和安全法制が成立し、国際平和協力法の改正や国際平和支援法の新規立法など、本科研のテーマにとって重要な法制度の進展が見られた点、また南スーダン情勢の変動など、国際平和活動の展開も新たな局面を見せたため、それらの情報収集と分析に時間を費やすこととなった。 またこの間、家族の出産が2度あり、育児面でのサポートも必要としたため、科研申請時の計画通りの進捗とはならなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、1年間の補助事業期間延長申請が認められたことにより、本科研テーマの下で遂行した学会発表等を含む研究活動の成果物を著すことに注力したい。平成29年度中、もしくは刊行時期によっては平成30年度には公刊されるよう、執筆活動に重点的に取り組むつもりである。
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Causes of Carryover |
補助事業期間延長申請において申告したとおり、本研究課題の遂行にとって重要な進展があったことを受け、研究期間を延長してさらに研究内容の深化を図る目的で、次年度使用額を残して補助事業期間延長申請をおこなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は研究成果の公表に向けて執筆活動に注力するが、必要に応じて文献等の購入経費に充てるほか、資料収集や聞き取り調査、学会出張等の旅費として使用予定である。
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Research Products
(2 results)