2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26780120
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
犬飼 佳吾 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (80706945)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会的選好 / 行動経済学 / 利他性 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去20年あまりにわたる実験経済学、行動経済学の様々な実験研究によって、人々は利他的選好を持っているということが繰り返し指摘され、多様な行動モデルが提唱されてきた。しかしながら、このようにして指摘されてきた利他的選好が選好が満たすべき性質を満たしているかどうかは必ずしも明らかになっていない。こうした背景を受け、本研究では顕示選好理論にもとづく選好のテスト実験を実施し、利他的選好の頑健性を検討した。 具体的には、顕示選好アプローチにもとづいて、利他的選好の頑健性を検討するための行動実験を複数回実施した。実験では、参加者は、自身と他者との間の報酬の取り分を決定する分配者の立場としてあらかじめ設定された様々な予算制約のもとで自身と他者にいくらのお金を分配するかを決定する分配実験課題を行った。一連の実験によって得られた実験参加者の選択結果が顕示選好の弱公理や強公理、一般公理を満たすか否かを検討したところ、大多数の実験参加者の行動は顕示選好の公理を満たして居ることが明らかになった。さらに、各参加者の選択行動データについて、CES(Constant Elasticity of Substitution)型関数へフィッティングを行い、参加者の効用関数を推定した。その結果、利他選好(利他的効用関数)のタイプは、自己利益追求型および社会余剰最大化型が大多数を占めることが明らかになった。従来の利他行動の研究では、自己利益追求型および平等主義型のみの対比が主に検討されているが(e.g., Fehr & Schmidt, 1999など)、本研究の結果、社会余剰が増加するように配分量を決める人々も無視できないほど多いことが明らかになった。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] Social preferences and choice options2016
Author(s)
Inukai, K.
Organizer
(Self-)regulation of selfish behavioral tendencies – perspectives from Japan and Germany
Place of Presentation
Heidelberg University(Heidelberg, Germany)
Year and Date
2016-06-11 – 2016-06-13
Int'l Joint Research / Invited
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