2014 Fiscal Year Research-status Report
高頻度データを用いたボラティリティと取引の構造変化の研究
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26780134
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
石原 庸博 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (60609072)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 計量ファイナンス / 実現ボラティリティ / 構造変化 / ボラティリティモデル / ベイズ統計分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には,ボラティリティと取引システムとその構造変化についての研究として,日次レベルでの研究を中心に行った.石原(2015)において,実現ボラティリティを導入した確率的ボラティリティ変動モデルを複数の異なった種類の実現ボラティリティが利用できるように拡張し,さらに回帰構造を導入することで,周期性や構造変化に関する研究ができるように一般化した.これまではジャンプの有無によって区別する必要があった実現ボラティリティを同時に入れることが導入できるようになった.さらに計算効率的な推定アルゴリズムを提案した.周期性として暦効果の影響を検証し,収益率・ボラティリティ・複数の実現ボラティリティの間で異なった暦効果があることが明らかになった.一方で,日経平均データに応用し,高頻度取引システムの導入前後における収益率・ボラティリティティ・市場のボラティリティから発生する実現ボラティリティのバイアスの検証を行ったが,何れの水準に関しても日次のデータにおいては構造変化は見られなかった(石原(2014)の口頭発表). Ishihara, Omori, Asai (2014)では多変量ボラティリティモデルの推定アルゴリズムの提案を行った.実現ボラティリティは予測のためにのみ用いているが,このアルゴリズムは来年度の研究で実現ボラティリティを複数種類導入したモデルに適用する予定である. また石原・渡部(2015)において,統計モデルとしての構造変化モデルに関するサーベイも行った.ボラティリティと取引システムという形ではないが景気循環に関するモデルとして循環型・推移型の構造変化モデルに関して,近年発見された構造変化モデルに関する問題点と解決法を含む,広範なサーベイを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度中の予定であった構造変化モデルに関する研究を行うことができ,特に日本の日次のデータに関する検証を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度中の研究の結果をもとに,モデルの拡張と予測に関する研究を行い,国内外で発表し成果をまとめる. 特に今年度のモデルでは注目していない外国の株式市場との関連に関する構造変化や,リスクへの感応度に関する影響に関しても検証する. その際,今年度に石原(2015)で提案した推定方法は適用できないため,Ishihara, Omori, and Asai (2014)で提案した手法を用いる.
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Research Products
(7 results)