2015 Fiscal Year Research-status Report
ヘドニック二次分析の内生性問題に対する新アプローチ:原発事故の厚生分析への適用
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26780145
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
山根 史博 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (40570635)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 原発災害 / 住民経済厚生 / ヘドニック二次分析 / 内生性問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原発から半径80km圏内を対象に、昨年平成26年度に収集した平成15年・20年の『住宅・土地統計調査』の家賃データを活用し、試験的にヘドニック家賃関数を推定した。また、平成25年の『住宅・土地統計調査』の家賃データ、及び各物件の住所情報を解読するためのマスターキーの利用を総務省統計局に申請し、9月15日にデータを入手した後、データの加工に取り組んだ。平成27年度までは、データの収集・加工が主な目標であり、最終的な目的であるヘドニック二次分析は平成28年度に行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度4月に神戸大学から広島市立大学に所属が移り、職場環境の変化などが影響し、研究の進捗が遅れている。第一に、平成27年度は、平成15年・20年の『住宅・土地統計調査』の家賃データを用いて、試験的なヘドニック二次分析を行う予定であったが、一次段階であるヘドニック関数の推定にとどまった。第二に、当初予定していたデータの収集・加工作業はほぼ完了してはいるが、近年の不動産市場の動向から鑑みるに、津波の影響を受けにくい高台物件の需要が高まっているため、物件ごとの標高を算出するという加工作業を追加することにしたが、これがまだ完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの達成度】で説明したとおり、研究実施計画の進捗に若干の遅れが生じている。残されたデータの加工作業を早期に完了し、最終目的であるヘドニック二次分析に取りかかることにしたい。
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Causes of Carryover |
所属先の移転に伴い、予定していた国際学会に参加する時間を設けることができず、200,000円強の旅費が残った。また、データ加工作業が当初予定よりも効率的に進んだため、補助員への人件費・謝金が節約され、更に100,000円弱の未使用が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
日本原子力学会やエネルギー資源学会などでより積極的に研究報告や情報収集を行うための旅費増額分に充てる。また、【現在までの達成度】で述べた、追加のデータ加工作業にかかる人件費・謝金にも充てる。
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