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2014 Fiscal Year Research-status Report

電子媒体の財務諸表を高度に取扱うために必要な概念の探求

Research Project

Project/Area Number 26780267
Research InstitutionMatsuyama University

Principal Investigator

中溝 晃介  松山大学, 経営学部, 講師 (30710496)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords会計情報システム / XBRL / 財務会計
Outline of Annual Research Achievements

当該年度では,研究計画の「1.電子媒体の財務諸表構造の分析」を中心に行った。ここでは,XBRL形式の財務諸表について,現状どのように表現しているのかについて調査している。調査の結果,企業がXBRL形式の財務諸表を作成する場合,電子的雛形を意識していることが判明した。XBRL形式の財務諸表であっても,表現方法にある程度の選択が認められている。しかし,XBRLに対して不慣れであるのか,多くの企業が雛形と同様の構造をとっていることが分かった。そして,XBRLが現状抱えている問題として,XBRLデータの信頼性が保証されていない点を指摘する。金融庁のEDINETで公開されている財務諸表は,公認会計士からの監査をうけており,財務諸表の信頼性が保たれている。しかし,XBRLデータは,同じ財務諸表を表しているにも係わらず,監査の対象から外されている。これは,XBRLを理解するために高度な知識が要求されていること,XBRLデータに関する監査について議論が進んでいないといった背景がある。
当該年度の研究成果は,次年度の研究計画である「2.電子的財務諸表に存在する概念組織の探究」を行うための基礎研究として重要である。XBRLには冗長な表現が含まれているため,コンピュータ上で高度に会計情報を扱うには課題が多く残されている。電子的な財務諸表を効率良く表現するために必要なデータ構造を導くため,構造分析が行えたことに研究成果の意義を見出すことができる。そして,XBRLの信頼性が保証されなければ,XBRLデータの普及が進まず,議論が発展しないことから,監査に関する論点を抽出した点にも意義があると考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当該研究年度では,研究目的の「①EDINET上で提供されている電子的な財務諸表の構造を各計算書(貸借対照表,損益計算書,キャッシュ・フロー計算書,株主資本等変動計算書)で行い,データがどのように関連付けられているのかを明らかにする。」および「②コンピュータ上で処理が行いやすいように,電子媒体で財務諸表を表現する上で生じている問題点を洗い出す。」に取り組んだ。達成度はおおむね順調に進展しており,資料収集で得たXBRLのIFRSタクソノミに関する資料,海外の最新研究等は当該研究のブラッシュアップに有意義なものであり,目的達成のために利用している。また,主に神戸大学で開催されている会計史研究会,会計システム研究会にも積極的に参加し,中野常男先生をはじめとする清水泰洋先生,野口昌良先生といった会計の第一線の研究者の方からの助言も頂いた。さらに,会計情報システム研究の第一人者でもある法政大学の坂上学先生からも研究助言を頂いた。以上のことから,研究目的および計画と照らし合わせると,進捗度は予定通りに進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

来年度の研究の推進方策は,計画通り,電子的財務諸表に存在する概念組織の探究を進めていく。ある知識(会計処理)をコンピュータ上で実現させるには,概念と概念の繋がりを考えることが有効とされている。したがって,この研究項目では財務諸表にどのような概念(勘定科目,金額,日付など)が存在しているのかを調べる。財務諸表に含まる情報量は非常に多く,概念として認識するものを整理することは容易ではなく,ある基準を設定しなければ概念組織として構築することはできない。さらに重要なことは,これまで認識されていなかった概念をどのように見出すのか,ということである。さらに,当該研究年度で得られた成果から,有効なデータモデルに関する研究を進め,XBRLとの適合性を検討していきたい。

Causes of Carryover

差額が生じた理由は出張旅費の予定と実際の差額である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

出張旅費として追加計上する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] XBRLデータの信頼性の担保に関する現状と課題2014

    • Author(s)
      中溝 晃介
    • Journal Title

      松山大学論集

      Volume: 26 Pages: 125-147

URL: 

Published: 2016-06-01  

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