2018 Fiscal Year Annual Research Report
The role of social sensitivity in group decision making and the possibility of supportive intervention
Project/Area Number |
26780348
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
土屋 耕治 南山大学, 人文学部, 講師 (10611585)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会的感受性 / 集団的知能 / 集団意思決定 / 自閉スペクトラム症 / 志向性の共有 / 組織開発 / 自己制御 / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
「個人の知能の総和以上のものが,グループの相互作用によって発生するのか」という問いは人々の関心を惹きつけ,集団での意思決定に関してこれまで多くの研究が行われてきた。本研究は,メンバーの社会的感受性が,グループの問題解決の力である「集団的知能(collective intelligence) に影響を与えるプロセスを検討し,集団意思決定への支援的介入可能性を探ることを目的としている。具体的には,社会的感受性の低いメンバーが協働注意,We-modeの形成,表情の同調に特異性を見せることで,「志向性の共有」が遅くなり,パフォーマンスを抑制するという仮説を検討している。それに加え,支援的介入可能性については,VR (Virtual Reality) 技術という観点からも可能性を探った。 5年間へ延長したプロジェクトの最終年度である2018年度は,これまでの研究成果をまとめて報告すること,また,引き続き実験データの収集を行うこと,支援的介入の例としてVR利用の可能性を探った。 研究成果を学術雑誌に公表した。具体的には,学術誌「社会心理学研究」に研究論文が掲載決定となった。これは,これまで欧米で報告されていた社会的感受性と集団パフォーマンスの関連が,日本でも確認できたことを報告し,加えて自己制御能力の影響も報告したものであった。また,課題の言語優位性が社会的感受性と集団パフォーマンスの関連を調整する可能性を示唆する研究知見を紀要に報告した。 実験としては,引き続きグループでの集団意思決定場面を取り上げ,データを収集した。 支援的介入可能性の例として,人間関係領域の体験学習におけるVR利用の可能性について,研究会で発表を行った。集団意思決定場面でどういった認知処理を行っているかを探ることにVR技術が有用である可能性が示唆された。
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