2016 Fiscal Year Research-status Report
小学生の問題行動とそれを抑制する教師の関わりの関連
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26780373
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Research Institution | Tokoha University Junior College |
Principal Investigator |
金子 泰之 常葉大学短期大学部, その他部局等, 講師 (00710641)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 児童期 / 思春期 / 問題行動 / 生徒指導 / 向学校的行動 / 学校適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,児童期の学校適応を捉える指標として2つに着目した。1つ目は,教師が学校内で問題視する問題行動であった。2つ目は,学校内で児童が積極的に学校生活を過ごしていると教師が評価する向学校的行動であった。また,教師から児童に対する関わり方として2つに焦点を当てた。1つ目は,何気ない場面における教師の関わり方である能動的関わりであった。2つ目は,児童が何か困ったときに教師が関わる事後的関わりであった。上記の児童の2つの行動指標と教師から児童に対する2つの関わり方の関係を3年間にわたる縦断調査を通して明らかにするのが本研究の目的であった。 平成28年度は,2回目の縦断調査を行うことで,児童期の学校適応と教師の関わりの関係を検討することが目的であった。平成27年度に作成した調査票を用いて,学年末である平成29年3月に調査を実施した。アンケートには,平成28年度の1年間の学校生活を思い出してもらいながら回答することを求めた。昨年度,4年生,5年生だった児童(平成28年度の5年生,6年生)にアンケートを配布した。公立小学校6校にアンケートを郵送した。内訳は,5年生264名,6年生298名であった。また当初の計画にはなかった中学校2校でも調査を実施した。中学1年生240名にアンケートを配布した。この2校の中学校は,平成27年度と28年度に調査を実施した小学校と同じ学区にある中学校である。2つの中学校のうち1校は今回実施した小学校6校のうち2つの小学校と同じ学区にある中学校である。もう1校の中学校は3つの小学校と同じ学区にある中学校である。したがって,今後は,小4,小5,小6,中1,中2,中3の6年間にわたり,小学校から中学校にかけての移行期の分析を行うことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度は小学校9校で調査を実施したが,今年度,調査を実施できたのは6校だった。少し規模は縮小したが,3年間にわたる縦断調査の2年目を平成29年3月に実施することができた。また,平成28年度は当初の計画にはなかった中学校2校で調査を調査を実施することができた。計画では,小学校4,5,6年生を対象にして3年間にわたる調査を実施するのが本研究の目的であった。中学校でも調査を実施できたことで,小学校4年,5年,6年,中学校1年,2年,3年と6年間にわたる調査を行うことが今後,可能となる見込みである。そのため,当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,3年間にわたる縦断調査の最後の年になる。これまで実施してきた質問紙を用いて3回目の調査を実施し,児童期の学校適応を発達的に検討することが目的である。平成28年度に調査に協力してくださった小学校5年生,6年生のうち,平成29年度になって1学年進級した新6年生と新中学1年生を対象に質問紙調査を実施する。そして,児童期の問題行動と向学校的行動が3年間の中でどのように変化するのか,教師は児童の年齢に応じてどのような関わり方をすることが必要なのかを,縦断調査から検討する。
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Causes of Carryover |
今年度が,本研究の最後の年となる。アンケート実施のための郵送費,学会での報告,学校へのフィードバックのための旅費等の経費が必要となる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
金額が1万円未満であり,額がそれほど大きくないため,次年度の計画に大きな変更は生じない。
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