2015 Fiscal Year Research-status Report
ハンセン病療養所を活かした学習プログラムの開発に関する研究
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26780467
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Research Institution | Hyogo University Junior College |
Principal Investigator |
小林 洋司 兵庫大学短期大学部, その他部局等, 講師 (10636591)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハンセン病問題 / ボランティア活動 / 福祉教育 / 社会教育 / ハンセン病療養所 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ハンセン病療養所を活かしつつ、ハンセン病回復者と協働した学習プログラムを開発することであった。研究実績の概要を具体的な目的に対応させて報告する。1点目の目的であるハンセン病療養所が統廃合されつつある状況を踏まえて、その将来的な経営、活用の実態がどのようになされようとしているのか、その実態を明らかにすることについては初年度から継続して日本財団主催の国際会議やハンセン病市民学会といった機会を活用しつつ、ハンセン病回復者の方から聞き取りを行ってきた。②ハンセン病問題を学ぼうとする学習者に対して実際に学習プログラムを構築・実施することを通してその成果と課題を明らかにすることについては初年度に継続してハンセン病療養所における将来構想に関する情報収集及び実践的研究を行ってきたハンセン病療養所における学習プログラムの実施と分析を行った。最後に③学習プログラムがハンセン病療養所にもたらす教育効果以外の効果については、仮説の域を出ないが、学習者以外の人々にとってハンセン病療養所がより身近で、「労働の場」としても意義深い空間になっていることが明らかになりつつある。また、学びというキーワードで言えば、実施計画の中に示したハンセン病回復者自身の学び、ハンセン病のことを学習する他者としての学習者の学び、そして療養所で働く専門職者の学びといった多様な学びの萌芽がみられる。この仮説の実証についてはデータの収集を最終年度も継続して行い、研究成果に反映させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
必要なデータについては、おおむね順調に収集できてきているが、分析及び文章化の構想について逡巡し、作業がやや停滞しているため
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Strategy for Future Research Activity |
継続したデータをおこないつつ、これまで集取してきたデータを精査、分析しながら文章化につとめたい
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Causes of Carryover |
当該研究に関するフィールドワーク、聞き取り、学習プログラム実施、研究成果の発表において予定していた回数を行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
十全な調査研究を行うため、計画的および効率的に研究費を執行していきたい。
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