2016 Fiscal Year Research-status Report
ハンセン病療養所を活かした学習プログラムの開発に関する研究
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26780467
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Research Institution | Hyogo University Junior College |
Principal Investigator |
小林 洋司 兵庫大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (10636591)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ハンセン病 / ハンセン病療養所 / 福祉教育 / 社会教育 / ボランティア活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ハンセン病療養所を活かしつつ、ハンセン病回復者と協働した学習プログラムを開発することであった。研究実績の概要について具体的な目標に対応させて報告する。 1点目のハンセン病療養所が統廃合されつつある状況を踏まえて、その将来的な経営、活用の実態がどのようになされようとしているのか、その実態を明らかにすること、については昨年度より資料収集及びフィールドワークによって全国にあるハンセン病療養所の現状のリサーチは実施してきた。実情としては全国のハンセン病療養所においてミュージアムの開設が行われつつあり、医療施設としてのみならず、歴史やそこにいきた人間の生き様も合わせて学習に結びつけようとする萌芽が見られている。 2点目であるハンセン病問題を学ぼうとする学習者に対して実際に学習プログラムを構築・実施することを通してその成果と課題を明らかにすること、については平成28年度に長島にある邑久光明園において一週間近くにわたる学習プログラムを実施した。市民の中には10年前に初めてハンセン病問題について知った学習者が10年度時間を経て再度ハンセン病療養所に訪れプログラムに参加するものがいた。その中で学習プログラムをハンセン病療養所で続けることの意義も新たに確認された。このようにハンセン病療養所を活かした学習の場作りについて調査研究してきた結果を生かしつつ行った実践研究であり、研究的にも意義あるものであった。 最後に、学習プログラムがハンセン病療養所にもたらす教育効果以外の効果について検討することについては、社会交流会館の開設、学芸員の設置などに見られる動向などをおいつつ、継続的な調査を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
必要な調査及び実践研究は概ね予定どうりに進行してはいるが、文章化・研究論文執筆について期間延長の原因にもなった私的な事情も相まって滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に研究論文として研究活動をまとめ、公表していきたい。
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Causes of Carryover |
若干の追加調査の必要性が出たことと、補助事業期間延長願いにも記載した通り、本務校の多忙及び乳児である子の養育、近親者の不幸が数件重なってしまったことにより、執筆に資するまとまった時間が取れなかったことが大きな理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実践研究のデータ及び、これまでの収集資料を用いて文章化、研究論文執筆に関わる経費として適正に執行します。
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