2016 Fiscal Year Research-status Report
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26800013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 哲史 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10456840)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 代数学 / 数論幾何学 / 志村多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,志村多様体の数論幾何の研究を行い,その非可換類体論への応用を目指すことである. この目的のため,2016年7月には「倉敷整数論集会」を主催して,近年発展の目覚ましい幾何的Langlands対応や幾何的佐武同値,そして,その関数体上の大域Langlands対応(Galois表現と保型表現の大域的な対応)についての研究打ち合わせ・情報収集を行った.関数体のGalois表現の研究においては,代数体上には無い幾何的な操作が可能なため,より強力な結果を得ることができる.今後の研究においては,幾何的な視点をいかに代数体上の研究に取り入れるかを考察することが,大切であると考えている. また,石塚裕大氏と共同で,平面曲線のJacobi多様体の2等分点から定まるGalois表現の研究を行い,二次超曲面の網の整数論的な性質を調べた.その結果,基礎体の標数が2で超曲面が奇数次元の場合に,他の標数では起こらない特別な現象が起こることを発見した.標数2の場合に二次形式と双線型形式が対応しないことが鍵となっており,今後は,その整数論的な性質を明らかにする予定である.この研究は次年度も継続して,研究成果を論文として発表する予定である.また,素数次Fermat曲線の有理数体上の対称行列式表示の非存在に関する共著論文が出版された. これらの研究を進めるため,整数論・代数幾何・保型表現論の関連図書を購入して,研究上の参考にした.また,関連する研究を行っている研究者を招聘して,研究打ち合わせを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ研究はおおむね順調に進展しており,研究計画の変更は計画していない.
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Causes of Carryover |
当初,研究に必要な資料として,整数論・保型表現論の関連図書の購入を計画していたが,年度内の納入が間に合わないことが判明したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定通り,次年度に整数論・保型表現論の関連図書を購入する.
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